政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書

著者 :
  • 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2012年2月10日発売)
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感想 : 95
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本書は10年前の本ですが、大変な迫力のある本です。
日本という国はこれから嘘や捏造過小評価や詭弁などでいっぱいになるだろうと。
イラク攻撃が9.11のわずか4日後に議会で可決された。
延べ150万人が派兵されイラク国内ではインフラが破壊され教育の荒廃と貧困が拡大失業率は50%を超え100万人が死亡470万人が難民となりイラク国内の国営企業は外資系企業に根こそぎ奪われた。
イラク戦争は政府とマスコミが始めた戦争。でも今思えば結局それを後押したのは私たち国民だったと思うんです。あの時私たちが立ち止まって冷静に自分の頭で考えさえしたら。
福島は世界中の軍や医療従事者学者や原発関係者にとって喉から手が出るほど欲しい被曝における最新研究対象。
同情する人々はかわいそうだというだけではダメ。色々な動きをしっかりチェックすることそれこそが本当に救う鍵になる。
自国の製造業は99セントショップが現れた時から兆候は始まっていた。グローバル化国際競争力と言う言葉の下で物が安く買えることに夢中になって、気づいた時には失業率が跳ね上がり賃金は海外労働者の出現で下がり、手に取るもの全てが海外産になっていた。
消費文化に育った私たちの関心を動かすことは巨大な資金力を持つグローバル企業にとってはナイキの新しいスニーカーを売るように容易いのです。
市民運動という形でた国の政権を転覆させる手法は既に米国の外交政策の一つとして過去何度も使われています。今回は SNS も使っています。
Facebookを使いアラブの春を扇動した。
セルビアでも行った。
紛争後の大規模な規制緩和と民営化により次々とアメリカの投資家と多国籍企業で落札されていった。
反政府の人々によって体勢が覆されその後民営化の道を進んだグルジアのバラ革命ウクライナのオレンジ革命キルギスのチューリップ革命チェコスロバキアのビロード革命
大量破壊兵器独裁者を倒してイラク民主化を支援の言葉からイラクの国内企業が次々と倒産する中で外資が巨額の利益を手に入れた。
市民団体や運動家の資金元をチェックするべきだろう。
湾岸戦争直前に広告会社のヒルアンドノウルトン社が残虐な行為をしたとしてイラク兵が312人のクウェート人の幼児を保育器から取り出し病院の床に放置して死なせたという話を捏造して報道した。
リビアのカダフィ大佐もオサマビンラディンも国際法廷で裁かれる前に殺害された。
カダフィはリビアに多くの功績を残した。
リビア人達は高学歴高福祉の国であるリビアを誇りに思っていた。アフリカ大陸で最も生活水準が高いリビアでは教育も医療も無料で女性も尊重されている日本の人たちはそういうことを知らない。国民は電気代の請求書など見たことがなかった。42年間も政権を維持できたことにはちゃんと理由があるんです。
カダフィが権力の座に就く前に10%以下だった識字率は90%を超えていた。
外国の軍が上空から2万発以上爆撃を行うような軍事行動が正当化されるような事態は一切なかった。
リビアはどんな行動も騒乱に結びつくことのない珍しい国でした。
西側のBBC CNN アルジャジーラが報道した内容はそのまま信じてはいけない。
2011年7月1日リビアのトリポリでは全リビア国民の1/3の170万人がNATOの爆撃に抗議した。
日本の人たちも政府やマスコミの言うことをを自分で調べたらどうですか映像自体を見て違和感を覚えないほうがどうかしている。
現場ではNATOの爆撃と外国人傭兵からなる反政府グループが民間人を標的にし部族間の対立煽っていた。
ユ−ゴやソマリアチェチェンアフガニスタンと同じ光景。
独裁者 vs 民主化を求める純粋な市民というリビア像を報道する西側メディアは NATO の爆撃で犠牲になった民間人のことは報道しない。
元フランス大使はリビア騒乱がカダフィーの殺害によって幕を閉じたNATO の軍事介入を激しく非難している。NATOはいつから国家元首を殺すようになったのか?国連決議をはるかに超えた暴力行為だ。
大勢の市民の命を奪ったイラクとリビアの爆撃には全く正当性がなかったということです。
シリアでもFacebook などを通じて全く同じ手口が使われている。
客観性を奪うテレビ個人情報が売られるネット。
人々の情報リテラシーが技術の進化に追いついていない。
Google Yahoo が情報検閲と管理をやってることは明らか。
金の流れを掴むこと。イラクや世界中の戦争ビジネスで儲けている人たちがいる。
西側の報道ばかり見ている人の多くは IMF のことをまるで弱い国を救う赤十字のような機関だと錯覚している。IMF と世界銀行 WTO の目的はアメリカ中心の西側に有利なようにできているのに。
IMF は債務危機に陥ったラテンアメリカ諸国で悪魔の機関と呼ばれている。
日本の医療分野市場はアメリカにとって法外な利益を生む金のたまご。
グローバル経済により資本主義は本来の獰猛な姿を現し走り出した。効率よく利益を出すために進化した技術で生産コストを削減し労働者を最安値で働かせる。目覚ましいスピードで進むIT技術が市場の国境を超えた拡大を加速させて世界中を覆っていった。
ワーキングプアという中流層が溢れた後、今度は非正規社員、正社員、次のターゲットは公務員。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年10月17日
読了日 : 2022年10月17日
本棚登録日 : 2022年10月17日

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