政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書

著者 :
  • 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 609
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047315709

作品紹介・あらすじ

3・11の大震災以降、原発事故・放射能対策からTPPまで、政府や東電、大手マスコミの情報は隠ぺいされ、偏った報道が蔓延るなど、国民には真実が知らされていない。アメリカでは9・11の同時多発テロ以降、大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義「ショック・ドクトリン」によって、貧困格差が拡大し続けている。「情報が操作され、市場化の名の下に国民が虐げられているアメリカの惨状を見るにつれ、このままでは日本が二の舞になる」と警告。今こそ、自らが考え、行動し、真実を見抜く目を持つことの意義を問いかける。

感想・レビュー・書評

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  • 国家と企業の癒着、コーポラティズムは1%の富豪と99%の貧困層とに分断しメディア誘導によって99%は踊らされ続けている。疑いの目は、その喧伝によって一体誰が傷つき、誰が利益を得るのか?というところに向けていかなければ真相が見えなくさせられるばかりだ。
    国の権力が個人に及びすぎるのもいけないが、自由放任に野放しにしている結果弱肉強食になるのも良くない。難しいところだ。弱肉強食社会では1%の人間が99%の人間を支配するという意味ではもうファシズムとあまり変わりがないのだが。自由とは名ばかりであることに気づき、本来の民主主義とは何か、主体は誰なのか、そう、自分自身である、と言う自覚に目覚めさせられることが本書の醍醐味だ。

  • 書かれているのは民主党時代の野田内閣当時のようだが、そのまま今の内閣にも当てはまる内容。
    世界の常識は国民にとって非常識の警告。
    ああ、恐ろしい・・・私たちは完全に政府とマスメディアに騙されているようです。
    このまま、全てテレビや新聞の記事だけを見て信じていたら大変な事になるという、様々なこれまでの事例や事実から警告が発信されています。
    3.11以降の日本が9.11以降のアメリカのたどった道をまた歩むのか?
    これは沢山の方に読んでもらいたい本であり、一冊は常備して読み返してもらいたいバイブルのような警告の書だと思います。

    本の中のこの言葉が一番胸に刺さりました。

    【〈原子力ムラ〉と〈戦争ビジネス〉。どちらもシステム維持のための強力なプレイヤーは、政・官・民・学とマスコミ、そして私たち国民の思考停止だ。


    ★5つに値する必読の書だと断言しておきます。

  • 漠然と日本が変な方向に行っているような気がしていたけれど、現実を突きつけられた感じ。3.11の震災以降の日本で起こっていることが、9.11以降のアメリカの『失われた10年』で起こったことをほとんどそのままトレースしているというのが、恐ろしい…。ほんと、なんでこんなアメリカに追随するのか分からないよ!いや、でも、追随しているつもりはないのかもしれない。どうやってもそういうふうに転んでしまうのが、ニンゲンの悲しい性なのか…。
    これを読んだからといってどうしたらいいのかは分からないけど、まず知ることができて良かったと思う。内容に賛否はあるかもしれないけれど、一人でも多くの人に読んでほしい気がする。その上で、それぞれが考えることが大切。私たちが思考停止に陥ってしまったら、国を動かす一握りの政治家にとって思うツボだと思うから。

  • 昔、「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。共産主義という妖怪が」というフレーズがあった。”ヨーロッパ”を”世界”に、”共産主義”を”新自由主義とコーポラティズム”に置き換えれば、本書が告発している現代社会の裏側が見えてくる。

  • ・世の中の1%の人間が残りの99%の人間を搾取している。
    ・アメリカでは9.11以後その流れが明確になった。
    ・今や世界中でその動きが支配的になっている。
    ・その動きを可能にしているのは「情報隠蔽」。政治とマスコミとグローバル企業と国民の無関心。

    日本の例でいうと
    『被災地の「震災がれき」を東京都が受け入れ表明するかしないか』
    という課題は、単に被災地支援をする、しないの判断を超えた思惑があることに気づくことができるかどうか、が例として挙げられていた。

    東京都は「震災がれき」の受け入れを決めた。
    意見は二分したかもしれないが、都民の多くの声は「安全性が保証されれば支援のために受け入れるべきで、被災地の痛みをわかちあうべき」というのが大半の意見だったと思う。
    実際には次のような状況だという。

    ・受け入れるのは福島県以外の放射能汚染されていないはずの地域のものというが、福島原発以北にも実際、放射性物質は散らばっている。
    ・法律上1キログラムあたり8000ベクレルまでという暫定基準値はいつの間にか1キログラムあたり10万ベクレルまでに緩和されている。
    ・都が応募したがれき処理業者の応募要綱は、「バグフィルターおよび活性炭吸込装置、もしくはバグフィルターおよび湿式排煙脱硫装置を備え、1日100トン以上の処理能力を持つ都内の産業廃棄物処理施設で焼却できること」とある。これが可能なのは江東区青梅の「東京臨海リサイクルパワー株式会社」のみであり、この会社は東京電力が95.5%出資している子会社であること。そしてさらに言うならば東京都は東京電力の大株主であること。

    これだけを見ると、やはり情報隠蔽というかニュースにおける説明の文脈に偏りがあるため、都民も判断できない状況において物事が決まってしまったという印象を持ちます。

    これが一例でした。震災がれきとまったく同じ例ではありませんが、イラク戦争にしても、日本のTPP問題にしても、発端は背後にいる国家、国籍を問わない、グローバル企業、ロビイスト(世の中の1%の人)、何かしらの利害関係者が、政治、マスコミを利用して、最大限の利益をあげるために動いている。そしてそれを可能にするとのは、情報隠蔽により判断できなくなった国民の無関心という指摘でした。

    単純に「格差が広がっている」という指摘は昨今ありふれた主張です。しかし、この本はその本質が「グローバル企業などの利害関係者による利益の追求」がとどまるところを知らないことにある、と指摘している点は新しいと思います。しかも「搾取する側は世の中の1%と言わず、0.1%、0.01%」となっていくであろうから、今後のわかりやすい世界の潮流になるだろうと思います。

  • 情報収集の方法に偏重があってはいけなく、多方向から取得することがこの時代に求められることを感じた。そのためには日本だけのメディアに限らず、海外から見た日本、アジアというグローバルな捉え方が必要。

  • (スマホのアプリで聞きました)
    これを読んで危機感がわかない人はいないと思います。なぜかただただ不安が起きる内容でした。
    国家とは、政府とは何なんでしょう?民主主義とは?資本主義とは?
    この本を読みよむと、ニュースの本質、裏側を知る方法がわかります。
    9.11もTPPも原子力も明日の生活には直接関係するものでは無いかもしれません。でも未来の子供たちにのために大人の責任として知り考える責任があります。
    それを教えてくれる内容でした。
    ちょっと前の本ですが、トランプが大統領になりTPPを離脱する今。読み始めてもとても面白いと思いました。
    これを読むのと読まないのでは未来が違う気がします。

  • 2016.5.29 読了

  • 必ずってところなんだな。だから何が本当かわからなくなったとか疑心暗鬼とかではなく必ず嘘をつくのだから、きちんと自分のアタマで考えなければならないということだ。佐藤優さんが言っているインテリジェンスということで自分の頭でしたたかに考えなければならない。堤未果さんもそういったインテリジェンスの必要性を言っている。

    反知性主義とかいうがそういった知性への憎悪に対するにはやはり自らの知性というものは何なのか考えることを必要とする。知性は二つの見方があると思う。自らの悟性からある知性。あとは悟性なき知性がある。これらの違いはカントが指摘している。自らの知性を誇っても悟性なき知性であれば反知性主義へ躓く。それが躓きの石であると思う。

    悟性からの知性でもっとも有名であるのはナザレのイエスであると思う。かれは反知性主義に殺されてしまったけれどそれが大事件であった。その大事件がキリスト教というものを生み出していて、やはりそこにも悟性からある知性であるイエスと悟性なき知性の躓きの石の関係は明確に記されている。キリスト教の価値はそこに集約されていると思う。

    私たちに必要なインテリジェンスも同じである。類推(アナロジー)できるものである。だからナザレのイエスを理解したら類推(アナロジー)で世界をみることができると思う。

  • 堤未果さんと水野和夫さんに共通点があることに気づきました。それは、信じてきた資本主義が私たちを裏切り始めている、と喝破していることです。私たちも、うすうす気づき始めているので、お二人の本を読んでいるのでしょうね。リビアの話はショックです。騙された!という思いと、ぞっとする怖さを感じました。話は少し違いますが、今、世界で、「日本はファシズムに回帰している」というレッテル貼りが静かに進んでいるのではないでしょうか?

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著者プロフィール

堤未果(つつみ・みか) ジャーナリスト。東京生まれ。ニューヨーク一市立大学大学院で修士号取得。米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして執筆・講演活動を精力的に続けている。主な著書に『ルポ・貧困大国アメリカ1・2』『株式会社 貧困大国アメリカ』(以上、岩波新書)、『沈みゆく大国アメリカ』『沈みゆく大国アメリカ 逃げ切れ!日本の医療』(共に、集英社新書)、『アメリカから自由が消える』(扶桑社新書)、『政府は必ず嘘をつく 増補版』(角川新書)などがある。

「2016年 『政府はもう嘘をつけない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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