政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書 (角川新書)

  • 角川マガジンズ (2012年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784047315709

作品紹介・あらすじ

9・11以降、貧困化が加速するアメリカの惨状に、3・11後の日本が酷似している。「ショック・ドクトリン」により格差が進んだアメリカを検証しながら、悪い情報は隠ぺいされる中、いかに真実に近づけるのかを追

みんなの感想まとめ

社会の真実に迫るこの作品は、特にアメリカの政治やメディアの構造を鋭く分析しています。9・11以降のアメリカと3・11後の日本の状況を重ね合わせ、権力による情報操作や格差の拡大を描写。読者は、政府やマス...

感想・レビュー・書評

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  • 流石に十年以上前の本なので、具体的に取り上げられている個々の事例やトピックは古さを感じるものもある。すでに半分風化してしまっている話題もある。

    しかし、本書が訴えている事は本質的には決して古びていないし、いまだに力を持って私たちに迫ってくる。オールドマスコミの劣化は益々激しくなり、権力に追従しているのではないかとさえ思えることもあるし、SNSに関しても真偽のほどがよく分からない情報も増え、どう理解咀嚼したら良いものか悩むものも多い。

    本書が発表された当時より、今の方が何が真実なのか、よりベターなものの見方考えたとはどうあるべきなのかますます分からなくなっている。世の中はその混迷度合いを深くしていると言っても過言ではあるまい。

    本書では第三章にてそれに対する答えらしきものを提示している。その意味では本書で述べらている事は力を持って我々に迫ってくる。

  • 数年前までこの本に書かれているような、政府やマスコミの言うことを鵜呑みにしてきた人間の一人でした。
    本書を読むと、思っている以上に世の中には嘘が多いことがわかります。
    問題なのは、自分も含めて、多くの人が世の中のことに無関心なことです。自分のところにまで被害が及ぶようになって、初めて騙されたと気づく、つくづく愚かだと思います。
    特定の国家観を持たない1%の資本家たちのために搾取され続ける世の中の構造、その周辺に取り巻く、政府とマスコミの実態に、もっと多くの人に気づいてほしいものです。
    こういった著書によって、世の中にそのことを提起し続けている著者に敬意を表します。

  • 本書は10年前の本ですが、大変な迫力のある本です。
    日本という国はこれから嘘や捏造過小評価や詭弁などでいっぱいになるだろうと。
    イラク攻撃が9.11のわずか4日後に議会で可決された。
    延べ150万人が派兵されイラク国内ではインフラが破壊され教育の荒廃と貧困が拡大失業率は50%を超え100万人が死亡470万人が難民となりイラク国内の国営企業は外資系企業に根こそぎ奪われた。
    イラク戦争は政府とマスコミが始めた戦争。でも今思えば結局それを後押したのは私たち国民だったと思うんです。あの時私たちが立ち止まって冷静に自分の頭で考えさえしたら。
    福島は世界中の軍や医療従事者学者や原発関係者にとって喉から手が出るほど欲しい被曝における最新研究対象。
    同情する人々はかわいそうだというだけではダメ。色々な動きをしっかりチェックすることそれこそが本当に救う鍵になる。
    自国の製造業は99セントショップが現れた時から兆候は始まっていた。グローバル化国際競争力と言う言葉の下で物が安く買えることに夢中になって、気づいた時には失業率が跳ね上がり賃金は海外労働者の出現で下がり、手に取るもの全てが海外産になっていた。
    消費文化に育った私たちの関心を動かすことは巨大な資金力を持つグローバル企業にとってはナイキの新しいスニーカーを売るように容易いのです。
    市民運動という形でた国の政権を転覆させる手法は既に米国の外交政策の一つとして過去何度も使われています。今回は SNS も使っています。
    Facebookを使いアラブの春を扇動した。
    セルビアでも行った。
    紛争後の大規模な規制緩和と民営化により次々とアメリカの投資家と多国籍企業で落札されていった。
    反政府の人々によって体勢が覆されその後民営化の道を進んだグルジアのバラ革命ウクライナのオレンジ革命キルギスのチューリップ革命チェコスロバキアのビロード革命
    大量破壊兵器独裁者を倒してイラク民主化を支援の言葉からイラクの国内企業が次々と倒産する中で外資が巨額の利益を手に入れた。
    市民団体や運動家の資金元をチェックするべきだろう。
    湾岸戦争直前に広告会社のヒルアンドノウルトン社が残虐な行為をしたとしてイラク兵が312人のクウェート人の幼児を保育器から取り出し病院の床に放置して死なせたという話を捏造して報道した。
    リビアのカダフィ大佐もオサマビンラディンも国際法廷で裁かれる前に殺害された。
    カダフィはリビアに多くの功績を残した。
    リビア人達は高学歴高福祉の国であるリビアを誇りに思っていた。アフリカ大陸で最も生活水準が高いリビアでは教育も医療も無料で女性も尊重されている日本の人たちはそういうことを知らない。国民は電気代の請求書など見たことがなかった。42年間も政権を維持できたことにはちゃんと理由があるんです。
    カダフィが権力の座に就く前に10%以下だった識字率は90%を超えていた。
    外国の軍が上空から2万発以上爆撃を行うような軍事行動が正当化されるような事態は一切なかった。
    リビアはどんな行動も騒乱に結びつくことのない珍しい国でした。
    西側のBBC CNN アルジャジーラが報道した内容はそのまま信じてはいけない。
    2011年7月1日リビアのトリポリでは全リビア国民の1/3の170万人がNATOの爆撃に抗議した。
    日本の人たちも政府やマスコミの言うことをを自分で調べたらどうですか映像自体を見て違和感を覚えないほうがどうかしている。
    現場ではNATOの爆撃と外国人傭兵からなる反政府グループが民間人を標的にし部族間の対立煽っていた。
    ユ−ゴやソマリアチェチェンアフガニスタンと同じ光景。
    独裁者 vs 民主化を求める純粋な市民というリビア像を報道する西側メディアは NATO の爆撃で犠牲になった民間人のことは報道しない。
    元フランス大使はリビア騒乱がカダフィーの殺害によって幕を閉じたNATO の軍事介入を激しく非難している。NATOはいつから国家元首を殺すようになったのか?国連決議をはるかに超えた暴力行為だ。
    大勢の市民の命を奪ったイラクとリビアの爆撃には全く正当性がなかったということです。
    シリアでもFacebook などを通じて全く同じ手口が使われている。
    客観性を奪うテレビ個人情報が売られるネット。
    人々の情報リテラシーが技術の進化に追いついていない。
    Google Yahoo が情報検閲と管理をやってることは明らか。
    金の流れを掴むこと。イラクや世界中の戦争ビジネスで儲けている人たちがいる。
    西側の報道ばかり見ている人の多くは IMF のことをまるで弱い国を救う赤十字のような機関だと錯覚している。IMF と世界銀行 WTO の目的はアメリカ中心の西側に有利なようにできているのに。
    IMF は債務危機に陥ったラテンアメリカ諸国で悪魔の機関と呼ばれている。
    日本の医療分野市場はアメリカにとって法外な利益を生む金のたまご。
    グローバル経済により資本主義は本来の獰猛な姿を現し走り出した。効率よく利益を出すために進化した技術で生産コストを削減し労働者を最安値で働かせる。目覚ましいスピードで進むIT技術が市場の国境を超えた拡大を加速させて世界中を覆っていった。
    ワーキングプアという中流層が溢れた後、今度は非正規社員、正社員、次のターゲットは公務員。

  • 政府がマスコミと結託して嘘を言うのも、”1%”の利益のために社会システムが誘導されるのも今さら驚くにあたらないが、ではどうしたら良い?という答えは見つからず、絶望感を禁じ得ない。残念ながらその後状況は更に悪化し、「不信」から「無関心」にフェーズが移っている。皮肉な事にスマホのニュースフィードで溢れんばかりの情報に接する人ほど、ニュースの真偽や裏側に無関心になっていく。ひょっとすると、こうした情報の大量消費化もまた巧妙に仕組まれたものかも知れない。
    マスコミが正義と良心を取り戻し、真実を正しく伝えるよう努力すれば問題解決するとナイーブに考えていたこともあったが、仮にそうなっても肝心の読者・視聴者がいなければ意味がない。つまり現状の『売らんかな』の報道は受け手が望むものが提供されているにすぎず、我々が変わらない限りマスコミの報道姿勢が変わることはない。では我々が情報を自分で取捨選択し、わかりにくくて面白くもないニュースや記事を求めるようになるのか?
    やはり絶望感しかない。

  • 米国の現状と、その後を歩む日本。
    ショックドクトリンを読みたくなった

  • 【ノート】
    ・たまたま大丸の三省堂書店に、佐藤優と並んで本書が平積みされていたのが目に止まった。堤未果は岩波新書の「貧困大国アメリカ」シリーズを面白く、と言うか、空恐ろしく読んだ。本書でも主たる対象はアメリカなのだが、一国というよりも、その背後にあるグローバリズムを推し進める「1%」陣営を意識した記述となっている。

    ・「財界の思惑に押された政府やマスコミ、自由貿易推進者たちは、数十年前からずっと同じことを言って国民を欺いてきました。海外から安い製品が山のように入ってくる、支払額が減って皆ハッピーだろう?と。ですが彼らは、その安価が連れてくるもうひとつのコスト、この国の経済を根底から破壊するもうひとつの高いコストについては決して言及しないのです。(P78)」 その「高いコスト」とは、分かりやすく言えば「国内産業の空洞化」だ。円高の時に流行したこの言葉、最近ではめっきり耳にする機会が減ったが、それはもう空洞化がかなり進行してしまったからなのかも知れない。札幌の狸小路ではシャッターが降りたままの店が増えていっている。昔からあった古参の本屋が店じまいをする。これは随分と地域の卑近な例ではあるけれども、通底しているものは同根だろう。「便利だから」「安いから」というだけで近所のお店や産業が倒れていってもいいのか。ちなみに、ある友人は、「それはもう仕方ないよ、もう止められないもん」と即答した。だが、「<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4902943603/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4902943603&linkCode=as2&tag=jfshomepa-22" target="_blank">ブタとおっちゃん</a>」を読んだ時にも感じた時のように、そこを自分たちの選択で変えていけないのだろうか。それは例えば、可能なかぎり、amazonでなくて紀ノ国屋で買う、あるいは札幌なら玉光堂で買う。吉野家で300円で済む昼食を、定食屋の680円のものにする、というような感じで。これは「<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906605923/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4906605923&linkCode=as2&tag=jfshomepa-22" target="_blank">はじめてのマルクス</a>」で佐藤優が「経済合理性に反する行為をあえてする」と言っていたのと通じる。

    ・カダフィ時代のリビアでは国民は電気料金の請求書など見たことがなく、アフリカで最も高い生活水準を誇っていた。にも関わらず西側メディアは歪んだカダフィの独裁政権像だけを流す。
    「カダフィが残した功績は、あなた方が西側メディアから見聞きしたような、国民の犠牲の上に立つ専制君主国家ができることではありません。もちろん、他の国と同じように全く問題がないわけではなかったでしょう。ですが、外国の軍が上空から2万回もの爆撃を行うような軍事行動が、正当化されるような事態は一切なかった。リビアは、どんな行動も騒乱に結びつくことのない、珍しい国でした(P116)」というインタビューも掲載されている。ただし、この相手はリビア人ではないが。

    ・アルジャジーラもリビア報道については同じ歩調で、カダフィを追い込んだ。アルジャジーラに対しては、何となく信頼できるというイメージを持っていたけど、これも幻想だったらしい。「アルジャジーラの代表であるワダー・カンファー氏は、告発サイト『ウィキリークス』にかかってCIAの部下だったことを暴露されて辞任しています」
     そして、アルジャジーラまでもが結託してカダフィを標的にした理由はフセインの時と酷似している。「リビアは144トンもの金を保有していました。カダフィはその金を原資に、ドルやユーロに対抗するアフリカとアラブの統一通貨・ディナの発行を計画していたのです。そこにはIMFや世界銀行の介入から自由になる<アフリカ通貨基金>と<アフリカ中央銀行>の創設も含まれていました。(P122)」

    ・政府やメディアからの情報は信用できない可能性が高いという前提で受け止め、「多角的に集めて比較し、過去を紐解き、自分自身で結論を出すこと(P212)」。これは押井守が「<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/434498255X/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=434498255X&linkCode=as2&tag=jfshomepa-22" target="_blank">コミュニケーションは要らない</a>」で最後の結論部で主張していることと同じだ。「ひとまず信じない」で判断を保留する。
     また、「政府」と言っても、その背後に誰がいるのか(陰謀論ではなく、圧力団体なりロビー活動を展開している組織は普通にいる)ということまで考えないと、なかなか自分なりの本当の結論に辿りつけないだろう。<a href="http://goo.gl/gVxEGs" target="_blank">ヤン・ウェンリー</a>が言った通り、民主主義とは面倒くさい。でも、その面倒くささが存在できていること自体が、民主主義の価値の一つだろう。

    【由来】
    ・たまたま大丸の三省堂書店に、佐藤優と並んで本書が平積みされていたので気になった。

  • (スマホのアプリで聞きました)
    これを読んで危機感がわかない人はいないと思います。なぜかただただ不安が起きる内容でした。
    国家とは、政府とは何なんでしょう?民主主義とは?資本主義とは?
    この本を読みよむと、ニュースの本質、裏側を知る方法がわかります。
    9.11もTPPも原子力も明日の生活には直接関係するものでは無いかもしれません。でも未来の子供たちにのために大人の責任として知り考える責任があります。
    それを教えてくれる内容でした。
    ちょっと前の本ですが、トランプが大統領になりTPPを離脱する今。読み始めてもとても面白いと思いました。
    これを読むのと読まないのでは未来が違う気がします。

  • 国家と企業の癒着、コーポラティズムは1%の富豪と99%の貧困層とに分断しメディア誘導によって99%は踊らされ続けている。疑いの目は、その喧伝によって一体誰が傷つき、誰が利益を得るのか?というところに向けていかなければ真相が見えなくさせられるばかりだ。
    国の権力が個人に及びすぎるのもいけないが、自由放任に野放しにしている結果弱肉強食になるのも良くない。難しいところだ。弱肉強食社会では1%の人間が99%の人間を支配するという意味ではもうファシズムとあまり変わりがないのだが。自由とは名ばかりであることに気づき、本来の民主主義とは何か、主体は誰なのか、そう、自分自身である、と言う自覚に目覚めさせられることが本書の醍醐味だ。

  • 堤未果さんと水野和夫さんに共通点があることに気づきました。それは、信じてきた資本主義が私たちを裏切り始めている、と喝破していることです。私たちも、うすうす気づき始めているので、お二人の本を読んでいるのでしょうね。リビアの話はショックです。騙された!という思いと、ぞっとする怖さを感じました。話は少し違いますが、今、世界で、「日本はファシズムに回帰している」というレッテル貼りが静かに進んでいるのではないでしょうか?

  • そうそう!と何度も頷きながら読む。誰かが何とかしてくれると思うのはもう止めよう。政府は必ずウソをつく。ニュースに違和感を感じたらそこに必ず何かカラクリがある。
    ブログに長めの感想文あり。けっこう読まれていただいていて感謝!↓
    必読!『政府は必ず嘘をつく』http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-710.html

  • 書かれているのは民主党時代の野田内閣当時のようだが、そのまま今の内閣にも当てはまる内容。
    世界の常識は国民にとって非常識の警告。
    ああ、恐ろしい・・・私たちは完全に政府とマスメディアに騙されているようです。
    このまま、全てテレビや新聞の記事だけを見て信じていたら大変な事になるという、様々なこれまでの事例や事実から警告が発信されています。
    3.11以降の日本が9.11以降のアメリカのたどった道をまた歩むのか?
    これは沢山の方に読んでもらいたい本であり、一冊は常備して読み返してもらいたいバイブルのような警告の書だと思います。

    本の中のこの言葉が一番胸に刺さりました。

    【〈原子力ムラ〉と〈戦争ビジネス〉。どちらもシステム維持のための強力なプレイヤーは、政・官・民・学とマスコミ、そして私たち国民の思考停止だ。


    ★5つに値する必読の書だと断言しておきます。

  • 漠然と日本が変な方向に行っているような気がしていたけれど、現実を突きつけられた感じ。3.11の震災以降の日本で起こっていることが、9.11以降のアメリカの『失われた10年』で起こったことをほとんどそのままトレースしているというのが、恐ろしい…。ほんと、なんでこんなアメリカに追随するのか分からないよ!いや、でも、追随しているつもりはないのかもしれない。どうやってもそういうふうに転んでしまうのが、ニンゲンの悲しい性なのか…。
    これを読んだからといってどうしたらいいのかは分からないけど、まず知ることができて良かったと思う。内容に賛否はあるかもしれないけれど、一人でも多くの人に読んでほしい気がする。その上で、それぞれが考えることが大切。私たちが思考停止に陥ってしまったら、国を動かす一握りの政治家にとって思うツボだと思うから。

  • 昔、「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。共産主義という妖怪が」というフレーズがあった。”ヨーロッパ”を”世界”に、”共産主義”を”新自由主義とコーポラティズム”に置き換えれば、本書が告発している現代社会の裏側が見えてくる。

  • ・世の中の1%の人間が残りの99%の人間を搾取している。
    ・アメリカでは9.11以後その流れが明確になった。
    ・今や世界中でその動きが支配的になっている。
    ・その動きを可能にしているのは「情報隠蔽」。政治とマスコミとグローバル企業と国民の無関心。

    日本の例でいうと
    『被災地の「震災がれき」を東京都が受け入れ表明するかしないか』
    という課題は、単に被災地支援をする、しないの判断を超えた思惑があることに気づくことができるかどうか、が例として挙げられていた。

    東京都は「震災がれき」の受け入れを決めた。
    意見は二分したかもしれないが、都民の多くの声は「安全性が保証されれば支援のために受け入れるべきで、被災地の痛みをわかちあうべき」というのが大半の意見だったと思う。
    実際には次のような状況だという。

    ・受け入れるのは福島県以外の放射能汚染されていないはずの地域のものというが、福島原発以北にも実際、放射性物質は散らばっている。
    ・法律上1キログラムあたり8000ベクレルまでという暫定基準値はいつの間にか1キログラムあたり10万ベクレルまでに緩和されている。
    ・都が応募したがれき処理業者の応募要綱は、「バグフィルターおよび活性炭吸込装置、もしくはバグフィルターおよび湿式排煙脱硫装置を備え、1日100トン以上の処理能力を持つ都内の産業廃棄物処理施設で焼却できること」とある。これが可能なのは江東区青梅の「東京臨海リサイクルパワー株式会社」のみであり、この会社は東京電力が95.5%出資している子会社であること。そしてさらに言うならば東京都は東京電力の大株主であること。

    これだけを見ると、やはり情報隠蔽というかニュースにおける説明の文脈に偏りがあるため、都民も判断できない状況において物事が決まってしまったという印象を持ちます。

    これが一例でした。震災がれきとまったく同じ例ではありませんが、イラク戦争にしても、日本のTPP問題にしても、発端は背後にいる国家、国籍を問わない、グローバル企業、ロビイスト(世の中の1%の人)、何かしらの利害関係者が、政治、マスコミを利用して、最大限の利益をあげるために動いている。そしてそれを可能にするとのは、情報隠蔽により判断できなくなった国民の無関心という指摘でした。

    単純に「格差が広がっている」という指摘は昨今ありふれた主張です。しかし、この本はその本質が「グローバル企業などの利害関係者による利益の追求」がとどまるところを知らないことにある、と指摘している点は新しいと思います。しかも「搾取する側は世の中の1%と言わず、0.1%、0.01%」となっていくであろうから、今後のわかりやすい世界の潮流になるだろうと思います。

  • 民主主義の根幹は、為政者の言葉をいかに疑い、確かめるかにある。アメリカの混迷をたどり、その制度疲労の実像を浮かび上がらせる。安全や効率の名のもとに拡大する監視と統制は、気づかぬうちに市民の自由を削り取っていく。だが問題は特定の国にとどまらない。情報が操作される時代にあって、真実は往々にして見えにくくなる。便利さと引き換えに何を差し出しているのか。問いを持たぬ社会は静かに従うだけとなる。本書は、疑う力こそが自由を守る最後の砦であると、重い警鐘を鳴らしている。

  • 1%vs99%という話の始まりか。堤未果の描くアメリカの教育改悪は日本の教育を目指しているように思われてならない。自分の頭で考えない従順な労働者を大量生産するというのはまさに日本式教育。
    それにしても,1%の顔のなさをイメージしづらいので,無意識のうちに国家単位の思考枠組みに染まっていることを痛感する。1%は特定の個人ではなくシステムそれ自体のような気がするのだが,実際には実在する大富豪なのだよな。でも,その地位は交換可能なのだとすれば,やはりシステムか。収奪的制度の上に立つ独裁者とはまた違うのだろうとは思うのだが,捉えどころがない。

  • 9.11(2001.9.11)の同時多発テロから3.11(2011.3.11)の東北大震災に至る10年間に、政府が自国民に発した偽情報(フェイクニュース)について、【堤美果】が警鐘を鳴らした2012年出版の新書版。欺瞞と利害関係が渦巻く政治の世界において「政権維持」と「国益」が命題である以上、情報の全てを公言できないのは自明の理であろう。また政府お抱えの<御用学者>らの発言内容についても、受け取る側の自己判断力が必要となる。

  • そしてこの著者も。

  • "違和感を感じた報道を検証するには? 資金の流れを追う。
    現在のインフラでは苦も無く調べることができるだろう。様々な報道を鵜呑みにするのではなく、裏をとることの大切さを教えてくれる。情報リテラシーに関する本とも言える。"

  • 情報収集の方法に偏重があってはいけなく、多方向から取得することがこの時代に求められることを感じた。そのためには日本だけのメディアに限らず、海外から見た日本、アジアというグローバルな捉え方が必要。

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著者プロフィール

堤 未果(つつみ・みか)/国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。

「2021年 『格差の自動化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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