生命保険のカラクリ (文春新書 723)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年10月17日発売)
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ライフネット生命副社長の岩瀬氏による生命保険のキホン。わかりやすい。面白い。

「保険はよくわからないから入らない」と敬遠していたが、これを読んである程度、生命保険がどういう性格を持った商品であるか理解できたし、自分がどのタイミングで、どういう保険に入るべきかというイメージが持てた。
(子どもができてから独立するまでの25年間で定期の死亡保険に入るのが最低限かな…とか)

また紹介されてるいくつかのエピソードを読んで、生保業界の異常性が垣間見えた。
セイホは業界内の人でもしっかり理解している人は少ない。

営業の人件費がかかっていないネット通販型生保に惹かれてしまったのは、著者の策略か?

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◆生保とは

・生保の2つの機能
【保障性】 
 …万が一に備える。死亡保障や医療保障。かけ捨て。保険の本来的な姿。
【貯蓄性】
 …将来の出費に備える。貯金に近い。満期が来たら帰ってくる。かけ捨てじゃない。


・生保が理解しにくい理由は2つ (p72)
 ①多種多様な内容の保障と特約をパッケージにしているから
 ②「保障」と「貯蓄」という二つの機能を内包してるから

※売り手にとって収益率が高いのは貯蓄性商品ではなく、保障性商品。(手数料が高い)


・「お得な保険」なんてものはなく、お得に見える商品(かけ捨てじゃない、割引、ボーナス付き…)は必ずその分、保険金が少なかったり、適用範囲が狭かったりでバランスが取られている。


・「何に備えるか」という視点でわけると、生保は3つの機能しかない。 (p81)
①いざという時に、残された家族のための所得保障→遺族保障(死亡保障)
②入院・手術のための保障→医療保障
③将来に備えるための保障→生存保障(貯蓄・年金)


◆どんな保険に入ればいいか

・企業の福利厚生制度や公的な社会保障を基礎に、足りない部分を補うのが民間の保険である。医療保障については公的な健康保険が手厚い。(p116)
まず公的な社会保障、企業による保障の内容を理解してなければ、民間保険をきちんと選ぶことは難しい。
(p106)


・加入する保険は特約はつけないで、シンプルな単品商品のみに加入すること。
自分が100%理解できるものにとどめることで、保険金の受け取り漏れを防ぐ。(p144)


・保険にかしこく入るための七か条 (p192)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション (新書/文庫)
感想投稿日 : 2012年10月28日
読了日 : 2012年10月22日
本棚登録日 : 2012年10月28日

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