マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

  • ランダムハウス講談社 (2004年3月18日発売)
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★その後が気になる★カネがなくても強いメジャーリーグのチームを作った、アスレチックスのGM、ビリー・ビーンの哲学と行動を辿る。足が速く体つきも立派と見た目は有能だが、プロでは成功しなかった。そんな自分の体験を反面教師に、「素晴らしい選手」に対する常識を取り払って選手を選ぶ。ポイントは四球を選ぶ能力を加えた出塁率。データの徹底した分析からワンアウト2塁など状況ごとの得点の期待値を算出し、選手の評価に独自の観点を築きあげるさまは美しい。確かに、一見冴えないレッドソックスのユーキリスも07年のシーズン序盤は活躍していた。その源流となるデータマニアが米国に山ほどいるのも興味深く、また、数字を冷静に読み直すと意外な事実が見えてくることのひとつの例なのだろう。2002年のドラフト会議での興奮は魅力的に伝わってくるし、そこで選んだニコラス・スウィッシャー、ジョー・ブラントン、ジョン・マッカーディー、ベンジャミン・フリッツ、ジェレミー・ブラウン、マーク・ティーエンらの行く末が気になる。場面の描写と人物の分析の組み合わせがうまく引き込まれる。著者は『ライアーズ・ポーカー』『ニュー・ニュー・シング』も書いていたんだ。内容は思い出せないが面白かったことは覚えている。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2008年1月9日
本棚登録日 : 2008年1月9日

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