石田衣良さんの短編?です。
何度も言うようですが石田さんの感性と視点がやっぱり好きです。
実話が多いという半エッセイのような短編集で、15年ほど前に書かれたもの。
私はエッセイは書き手がどんな人かよく分かるので好きなのですが、風化を持ち合わせているため昔すぎると少し苦手と思うものもあるのですが、石田さんのエッセイは風化を感じないし、むしろそれも味と感じます。まあ、所詮15年なんて昔ではないのかもしれません。
石田さんの感性が好きだし共感するところがやっぱり多いです。共通点を見つけると嬉しくなります。今回は、横浜が大好きだということ、タクシーが同じ方向を向いて走るというよさがあること、全体が共感の多い本ですが特に印象的なのはこれらです。
特にタクシーの話は物語もお気に入りです。
「バブルの頃の給料はどう考えたって今より多くはないですよ。ーでも、みんなお金なくてもある振りをして、がんばってつかっていたんだね。」バブルを生きた人間ではありませんが、これでこの時の人々がどれほど楽しんで生きていたかわかります。遊びも本気とはこういう人たちのことでしょう。そりゃあバブルを生きた人からしてみれば今時の人の現実主義さに嫌味を言いたくなりますよね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年4月27日
- 読了日 : 2020年4月27日
- 本棚登録日 : 2020年4月27日
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