ししりばの家

著者 :
  • KADOKAWA (2017年6月29日発売)
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本棚登録 : 539
感想 : 91
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比嘉姉妹長編三作目は最強の霊能力者比嘉琴子がメイン。夫の転勤で東京に来たがずっと孤独な日々を送っていた笹倉果歩はある日幼馴染の平岩敏明と再会し、平岩夫妻と祖母との交流が始まった。しかし平岩家は何かがおかしい。初めに起きた生霊の怪異は認めたのに家中に溢れる謎の砂等の怪異は幾ら訴えてもこれが普通だと取り合わない。まずこれが不気味。そして正体が判らないまま着々と砂の怪異に絡め取られていく果歩の描写がじわじわ怖い。冒頭の小学生時代の琴子が同級生と遭遇した「幽霊屋敷」のエピソードが平岩家と繋がってからの対決展開はスピーディーだが怪異の正体が不条理過ぎてこれ勝てるのか?とハラハラする。が、意外な切り札ににやり。締めは明るめだが裏に不穏さが滲み出ている所に何故か人の限界を感じる…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2021年6月2日
読了日 : 2021年6月2日
本棚登録日 : 2021年6月2日

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