書記バートルビー/漂流船 (古典新訳文庫)

  • 光文社 (2015年9月9日発売)
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本棚登録 : 310
感想 : 21
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ブンガク
かかった時間 たぶん180分かそれ以上

さいきん、『文学こそ最高の教養である』という新書を読んでいる。光文社古典新訳文庫の編集者が、各作品の翻訳者と行った対談を書籍化したものだ。

せっかくなので、その中からいくつか気になるものを買って読んでみることにした。そのひとつが本作品。

メルヴィル、知らなかったけど、ものすごく謎が多くて、ホラー?サスペンス?だ。あ、ミステリーか?(違いがわからん)

書記バートルビーは、表面的には今でいうコミュ障の話として読むこともできるが、翻訳者の力で「それだけではない」感が残る。語り手の弁護士自体もそうだが、全体的に奇妙。そして、「お分かりにならないのですか」のくだりはやっぱりゾッとした。
不思議なチカラは覗くことで効力を失う、というモチーフも印象的だ。あと壁ってなに?先のない資本主義?(適当) …みたいに、再読すると解釈がまだできそう。

漂流船は、まじでミステリー。キングオブ「信頼できない語り手」が語り手となって話が進むが、それが功を奏しているとか、それでも「奇妙さ」を全部キャッチしてるのはすごくないか、とか、あとがきに書いていたけどベニートはほんとうに「被害者」なのか、とか、これもいろいろ考えられそう。

ちょっとこれ、次は「白鯨」ですかね…
(※追記 「白鯨」は長かったので購入を延期…笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ブンガク
感想投稿日 : 2020年8月14日
読了日 : 2020年8月14日
本棚登録日 : 2020年8月14日

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