見知らぬ他人を尾行し、その人間の人生を理解する「文学的・哲学的尾行」。それに魅せられた大学院生の物語。
彼女の行動は常軌を逸しているし、他人に理解されない。でも、そこに潜むとてつもない魅力は感じられた。
そもそも、映画や文学、漫画といった物語は他人の人生(架空であっても)をもっと知りたいという欲求で成り立っている。本作では尾行を自分の境遇と重ね合わせたというミスを犯した。だが、その欲求をうまく活かした物語だった。これといった盛り上がりも事件も起きない話にのめり込んでしまったのは、私がその欲求を刺激されたってことなのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2019年3月2日
- 読了日 : 2019年3月2日
- 本棚登録日 : 2017年8月24日
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