14歳の少年がおこした幼女殺害事件を題材にした群像劇。加害者の少年A、被害少女の母、少年Aを崇拝する少女、少年Aを題材に小説を書こうとする女性、4人の視点で物語が進行していく。
3人の女性は様々な形で少年Aであった青年に魅せられていくのだが、誰にも感情移入できなかった。でも、読むことを止められない。なぜなら、小説にしようと考えた女性と同じように、彼がなぜそんなことをしたのか?を知りたくなってしまうからだ。
その恐怖心をベースにした好奇心は、少年が「人間の中身が知りたい」と少女を殺す気持ちと変わらないのではないか?と作者に疑問を投げつけられたかのようだ。
そう、私たちはこれからも、悩み、苦しみ、涙し、喜びながら読んで読んで死んでいくのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2018年6月3日
- 読了日 : 2018年6月3日
- 本棚登録日 : 2018年5月26日
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