2015年に起きた、川崎中1男子生徒殺害事件の深層を石井光太さんが綿密な取材で掘り下げています。
43箇所もカッターで切りつけられ、その途中も全裸で冷たい冬の水の中を泳がされたり、岩に頭を打ち付けられたりして、無惨にも殺されてしまった上村遼太君。当時、愛くるしい笑顔の顔写真をニュースで見て、こんなに可愛らしい男の子がどうして…と思ったのを覚えています。
事件の経緯、犯人の未成年の3人や遼太君の生い立ち、事件がおきた川崎という土地柄など、様々な角度から事件が検証されていました。
詳しい内容は、実際本を手に取って読んでいただきたいのですが…
沢山の想いが読み進めるうちに溢れてきました。
一番強く思ったことは、家庭(親)が大事だということです。もちろん、いくら親が子を思い、育てた所で、子供が良くない方向に行くことは多々あると思います。うちだってそうです。ですが、家庭で子供の居場所があれば、この事件は起こらなかったと思うのです。
この事件にかかわらず、例えば、未成年だから、精神的な障害があるから、と、罪を軽くして良いなどと私は微塵も思いません。性善説も全く信じていません。根っからの根性悪は、更生なんてするわけがないと思っています。例え反省したところで、罪の重さは全く変わらないし、悪さをした人は、同じ仕打ちを受ける罰を与えられたら良いとすら思います。
遼太君のお父さんは、刑を終えて出たきたら犯人達に復讐したいと話しておられました。お気持ちはとてもわかります。ですが、実行犯以外にも罪深い人は沢山いるように思えました。
誰からも可愛がられるような遼太君が、こんなにも無惨な方法で、大した理由もなく痛みつけられ亡くなって逝ったこと。とても胸が締め付けられました。
辛い内容でしたが、親はきちんと子供を見て、育てなければいけないという、当たり前と思われていることの大切さを再認識しました。
多くの方に読んでもらいたい一冊でした。
- 感想投稿日 : 2021年7月18日
- 読了日 : 2021年4月22日
- 本棚登録日 : 2021年4月22日
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