相変わらず登場人物の表現が卓越していて、惹き付けられている。
個人的には、伊佐冶は、普通の人間なら知らずとも生きていける井戸の底のような暗闇を怖々と覗いている最もまともな一般人。
遠野屋は、伊佐次がのぞき込む暗闇の真っ只にながらも、たった一筋、細く差し込む光に向かって、必死で足掻いている非凡人。
私には、この2人が対極のように感じられる。
そして、もう1人のキーパーソン、信次郎は数学で言うとX軸、Y軸に対するZ軸のような存在。そもそも次元が異なるのだ。
三者が互いを異なものと認め、どうしても分からない、混ざりあわない部分を持っているのに、どこかで期待し、信頼し、ひとつひとつの事件を通して関わり合っていく。
そんな彼らの人生の1ページを一緒に過ごしているかのような、そんな気分にさせてくれるシリーズだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年3月9日
- 読了日 : 2018年3月9日
- 本棚登録日 : 2018年3月9日
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