小道の収集

著者 :
  • 講談社 (1995年1月1日発売)
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感想 : 3
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エッセー集。74の小品からなりたっています。
詩人である作者は、季節や街の景色、言葉に敏感で、独自の楽しみを持っていて、人生の達人というかんじです。
とくに、街の雰囲気には思い入れがあるらしく、街の変化についていくつも書かれています。
鋭い視点に頷くものばかりですが、「わたしは昔こんなに素晴らしい自然、味わい深い街で育った」だからこんなに偉く賢くなった、そういう環境で育たなかった今のやつダメ、という書き方がやな雰囲気です。自然が多くて街が味わいあったのは、あなたががんばったからじゃないでしょ、と屁理屈いいたくなります。
わたしたちはこれからもこの世の中で生きなくてはいけません。
なにくそ!現代も捨てたもんじゃないぞ!今からでも遅くはないぞ!
読み終わって鼻息あらくなりました。
それが目的で書かれたのかもしれません。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 長田弘
感想投稿日 : 2004年9月24日
本棚登録日 : 2004年9月24日

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