マンガ家が自身または他のマンガ家やマンガ史を書く「マンガ家漫画」のさらなる発展系。昭和30年代、漫画界は天才、手塚治虫を中心に回っていた。その世界で月3本の連載を抱えていた中堅マンガ家、海徳高市はその手塚に強烈なあこがれを持つ。しかし、同業者としてのプライドが邪魔をして、そのあこがれを人に言えず、逆にありもしない「憎き手塚」の意見を並べるのであった。
手塚に憧れ、手塚の真似をしたい気持ちと、それを声高に叫べないプライド。本書は海徳の中で相反する手塚への意識を通して、語られる手塚治虫の偉人伝マンガだ。
普通人である海徳の目を通して見た、手塚の人間離れした仕事量に驚愕する。月10本以上の連載に加えて、はじまったばかりの週刊漫画誌にも連載を持ち、アニメ界進出、さらに医師博士号を目指し、その合間に結婚。走り続ける天才を勝手にライバル視する主人公の追いつくはずのない旅がはじまる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新感覚
- 感想投稿日 : 2015年6月28日
- 読了日 : 2015年6月28日
- 本棚登録日 : 2015年6月28日
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