正義の偽装 (新潮新書 554)

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  • 新潮社 (2014年1月17日発売)
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感想 : 22
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日本の「正義」を考えると、民主主義とか民意とか、国民の多数が考えて述べることが適当なのかもしれない。その結果、かつての民主党政権やアベノミクスは「正義」となった。しかし、ちょっと考えると民意を唱えるのは国民の多数ではなく、民主党や自民党だ。

木に止まったセミのごとく、ひたすら「ミンイ、ミンイ」と鳴いていれば「民主主義」ができあがる。実は独裁者こそが民意を語り、国民を代表することができる。それが著者の言う「正義の偽装」だ。

こうした欠陥をはらんでいる民主主義ではあるが、現状ではその体制を選択するしかない。それもまた、大きな矛盾。

「正義」とは考えれば考えるほど、ループしてしまうものなのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2014年7月25日
読了日 : 2014年7月25日
本棚登録日 : 2014年7月25日

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