現役ベストセラー作家の青春自伝。
なんとなく大学生活を過ごし、なんとなく入ってしまった出版業界で編集者として月収10万円でスタートした著者の1980年代。今で言う、ワーキングプアだが、当時の著者は社会の底辺にこそ真実があると信じていた。
今の作家、橘玲からすれば、物事をわかっていないかわいそうなヒト、ってことでバッサリ一蹴されるべき若者だろう。逆に言えば、そんな体験があるから、今のリベラルで徹底的なリアリスト作家に成長したのかもしれないが。
作家デビュー前の著者のベストワークは事件前のオウム真理教に編集者として密着取材していたことだ。しかし、95年のオウム・サリン事件によって、バッシングを含めた様々な反応が著者の周囲に巻き起こる。おそらく、この一件で著者は自らの業界内の立ち位置を見つめ直したのだろう。その数年後、著者は編集者ではなく、小説家、作家としてデビューする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2018年4月18日
- 読了日 : 2018年4月18日
- 本棚登録日 : 2018年4月18日
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