著者はペンネームの通り「ただの」人だ。平凡なサラリーマン生活37年。近々定年を迎える。そんな普通の人が本を出版できる理由は、彼が30年以上、所得税を払っていないから。
本書は彼のそんな脱税テクニック、ではなく節税テクニックを紹介し、その結果によって、無税生活を勝ち取った自慢録だ。
彼の無税テクニックは単純明快。サラリーマンで稼いだ給与を赤字の事業で相殺し、課税所得を圧縮すること。確定申告をしたことがある人なら思いつくだろうし、すでに実行している人もいるだろう。税金は会社が計算して払ってくれるものと思い込んでいるサラリーマンでは思いつかないことではあるが。
しかし、「ただの人」を自称する割には、本書での著者は結構過激。橘玲や野口悠紀雄という大御所作家に喧嘩を売り、自らの甥にも無税生活を伝授する。そもそも著者のやっていることは、経費を水増しする違法行為であり、とがめられないのは、税務署が調査するヒマがないからだ。が、それを他人に指導するとなると、税務署も黙っていない気がする。
本書の印税によって、無税生活が終わったうえに、税務署に目をつけらた、なんてことはなかったのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新感覚
- 感想投稿日 : 2016年2月28日
- 読了日 : 2016年2月28日
- 本棚登録日 : 2016年2月28日
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