こぐこぐ自転車 (平凡社ライブラリー722)

著者 :
  • 平凡社
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還暦を過ぎて、自転車にハマった元大学教授によるサイクリストエッセイ。時代は2000年代、著者は70代。若い頃に運動をしていたわけでもなく、人並み以上の自慢できる体力を持っているわけでもなく、年相応の高齢者体力で自転車ライフを楽しむ。

老いてからも楽しめるスポーツとして自転車は推奨されているが、それでも無理は禁物。著者のサイクリングは無理をしないことを徹底している。ロングライドを計画しても途中、体力の限界を感じれば、電車やバス、タクシーに分解した自転車を積み込んで、家路へ。こうした思い切った判断をシニアサイクリストは見習うべきだ。

本書の最後を飾るのが平均年齢60歳後半の4人による北海道ツーリング。スマホもない時代にあーでもない、こーでもないとルートや宿泊地を仲間で考えて、事前予約。ネットで旅館やレストランの投稿された星の数を調べることはなく、SNSで自己主張することもない時代、家族の理解を得て、体力的、経済的にも余裕がある優雅な老人たちの団体旅行。昔は良かったんだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2023年10月25日
読了日 : 2023年10月25日
本棚登録日 : 2023年10月25日

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