著者の世代の戦争感が窺える作品なのかもしれない。
今住んでいる街、生まれ育った街、東京の街、祖父母達の世代には戦争があった。戦時中の街は、空襲で焼け、爆撃され、多くの人が死んだ。もし祖父母が戦争の犠牲になっていたなら、今の私は生まれていない。
父と戦争のドキュメンタリーを見たときのこと、私とは無関係に、人々は死んでいった。
どちらも、今の私が存在しない時間、私がいない場所で、起こったことである。
そして、現在の私は、戦争のことを考えている。
わたしがいなかった
過去形である、これからのことではない。
わたしがいなかった街で、戦争があり、人が死んだ。
結末は知っている、それでも何度も確かめる。
パラノイア
わたしがいなかった街で、友人の妹は、慰霊碑を見た。
犠牲者に花をささげる人があった。
体験談は現実で、リアルであった。
パラレルワールド
空中に浮いたような(気分が)現実感がないように思えた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史文化
- 感想投稿日 : 2013年1月18日
- 読了日 : 2013年1月15日
- 本棚登録日 : 2013年1月11日
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