新米ベルガールの事件録 チェックインは謎のにおい (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年11月24日発売)
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本棚登録 : 353
感想 : 34
4

 ベルガールをしている主人公が、ホテルで起こる様々な謎を先輩コンシェルジュや上司と一緒に調査し解決していく物語。
 この作者はタレーランシリーズで知っていて、そのシリーズ最新刊が図書館で借りられていたため隣にあったこの本を借りた。
 タレーランシリーズとは違い、探偵役のような人はおらず、調査の過程で真相に近付いたりお互いの誤解を擦り合わせたら解決したり、という形になっていた。とてもフェアなミステリーでミスリードが上手く張られており心地良く騙された。
 ただ各々の章で、謎を引き起こすためには仕方ないのかもしれないが、言動に問題のある人が少なからず登場し、時折むかつくこともあった。その言動に至る過程や理由付けが描かれている時といない時があり、あった時の方が人間ドラマに深みが出ていたので、個人的にはもっと細かい人間描写が欲しかった。
 最後に千代子と二宮が付き合うまでいったかは議論の余地があるところだが、私はあそこまで奥手の二宮がトントン拍子にいけているとは思えず、まだ休みにデートをするかしないかの段階に留まっていると思う。タレーランでも一巻で仲良くなったと思ってたのに結局二巻でそこまで進展しなかったという風な描かれ方がなされていたから、続編が出たら付き合っていないことになるのではと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月25日
読了日 : 2022年6月25日
本棚登録日 : 2022年6月25日

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