新感触の中脇初枝 笑
澄んだ川の中から見上げるまぶしい光のような小説。
風景描写や人物描写、触れるか触れないかぎりぎりの惹かれ合うような心理描写はすごく刹那的で抽象画のように浮かんでとらえどころのない。
とらえどころがなさすぎてなんだかやっぱりぼんやりしてしまう印象。
言葉が難しくて(方言)読み進めるのに少し苦労した。
過疎化した町や田舎の描き方って本当に大きく差があるなあとつくづく思う。どの書き方もきっと真実なんだろうなと。良い側面と抜け出せない深い水の底のような側面と。
んー随所に死者の匂いのようなものを色濃く感じる。それは恐いものではなく、ただそこにあるような。そんな感じの匂い。
良し悪しでなんだか割り切れない1冊。
2014年10月30日 新潮社
装画:フジモトヒデト
装幀:新潮社装幀室
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2015年6月27日
- 読了日 : 2015年6月27日
- 本棚登録日 : 2015年6月27日
みんなの感想をみる