「ズルさ」のすすめ (青春新書インテリジェンス)

著者 :
  • 青春出版社 (2014年12月2日発売)
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本棚登録 : 852
感想 : 81
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著者の本は初めて読んだ。経歴的に、過激なことを書くのかと思いきや、某エンジェル投資家よりもよほど優しい文章な印象を受けた。タイトルに反して良い意味でズルくない。外交の裏話も面白い。他の書籍も読んでみたい。

以下、印象的な箇所と感想

人生にとって大切なのは、いかに負けるか、では。不条理な事などいくらでもある。相手に勝とうとするのがアニマルスピリッツなら、負けることから新たな自分だけの人生のテーマを作り出す力こそ、ヒューマンスピリッツと言えるのでは。別の思考や世界観をもち複線化することも、リスクヘッジになる。

約束は破らない。遅刻や会議延長で人の時間を奪ってないか?
低信用社会は発達しない。多分人間関係もおなじ。

恩を忘れない。受けるより与える方が幸い。

就活で若者の承認欲求はぼろぼろになっている。
年配者の若い頃はエネルギーが〜論は時代錯誤では?という指摘。

11章は特に印象的だった。
ー組織である以上、上司の命令には背けない。
(数字を毎回出す人と専門知識や特殊能力のある人は多少は意見を言える。)
人間は自由や平等を求めるが、組織はもとより上下関係や権力構造を前提に構築されている。(人間が組織をつくり社会を作らなければ生きていけない以上、そこに属する我々は常に上下関係と権力構造の中で生きていかなければならない)

コモディティ化が進むなかで、生き抜くには、特殊技能や能力を身につけて代替不可能な人材になること。与えられた仕事をこなすだけでは専門能力は身に付かない、部署トップを目指して頑張る。今後の10年でどうなりたいか、から逆算し、どんな知識とスキルを身につけるべきかを明確にして、計画的にスキルアップする。自分の人生を自らコーディネートする。
銀行員にとっての簿記三級的なスキルも役に立つ。
趣味の世界で肩書きを持つのもいい。権力や組織が牙を剥いてきたときに、もう一つの世界に逃げることができる。逃げる事は重要で逃げられる環境があるのは大きい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年1月8日
読了日 : 2022年1月8日
本棚登録日 : 2022年1月8日

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