今年最後であろう作品に、このタイミングで、出合えたことは幸運だったかもしれない。
寛政大学近くにある今にも崩れ落ちそうな安普請の木造二階建て竹青荘。住人全員(陸上初心者ばかりの素人を寄せ集めた10人のチーム)で、箱根駅伝を目指すというストーリー。
箱根を目指すことが、陸上をやる人にとってどんなものか、全くの門外漢だったので、競技そのものを知ることができた。また、駅伝のコースが地名とともに景色として立ち上がってくるような感覚で、一区から十区まで、一人ひとりの個性も描かれる。
本気で箱根を目指している方からすれば、設定やストーリーが出来すぎで納得がいかないという見方もあるかもしれないけれど、
小説だからこそ、この世界を擬似体験させてもらえたような気がする。
箱根駅伝にあまり馴染みのない人に
これから何かと戦わなくてはならない人に
そして、希望を見いだせなくなってしまった人にも、熱い何かを感じさせてくれるかもしれません。
おすすめです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月29日
- 読了日 : 2022年12月29日
- 本棚登録日 : 2022年12月29日
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