風が強く吹いている

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541041

作品紹介・あらすじ

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。

感想・レビュー・書評

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  • /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
     たぶん、この本を読んでいて、レース中でもなく、そこに向かっていく、やりとりの時点で、ジワリジワリと涙が溢れそうになるのは私ぐらいだと思います(T_T)

     主人公清瀬の熱く冷静な姿勢が、すごい心に響くんですよね。何度読んでも、泣けてくると同時に、勇気をもらっています。

     私は、この本の文庫を持っていますが、今回は、図書館で単行本を見つけて、手にしました。漫画好きで、勉強より運動に生きてきた人間なら、この作品には必ずハマると思います。私は、マンガばかり読んでいましたが、小説を定期的に読むようになったのは、この作品がきっかけだったかもしれません。


     たどりつきたい場所がある人を見ると、とてもうらやましく思います。私は無理やりたどりつきたい場所を探しているような気持ちがあり、人生の後半にさしかかっても、いまだにたどりつきたい場所が見えていないです。この物語はどこへ向かっていくのかを、とても意識させられます。「物理的に同じ道を走っても、たどりつく場所はひとつではない」、、そんな言葉がでてきますが、走るお話の中で、いろいろなことを考えさせてくれます。


     それと私は、子どもの頃から、風が好きでした。強風はNGですけど(╥_╥)
     風が吹きぬけていく感覚を味わうとこの作品を思い出します。いいんですよね、登場人物の「走(かける)」が走るときに、疾走感が…
     読んでいて、すごいイイ感じになります。この本を読んで、ほんと、いい感じです。がんばろうという気持ちになります。


     ど~でもいいことですけど、先日、10/29に手賀沼ハーフマラソン(千葉県)に参加して、2時間12分のタイムで走り切りました。この物語で登場する人物と比較すると、とてつもなく遅いですが、個人タイムとしては、早くなってきています。
     私は長距離大嫌いで、マラソン大会は歩いて先生に怒られるタイプでしたが、凡人の私がどこまで成長していくことができるのかを、楽しみにしています。

     強くなるためには、走らないとダメですね。


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/_/
     マラソンが強いわけでも、伝統があるわけでもない、寛政大学。その寛政大学近くのボロアポートの竹青荘に集う10名がマラソンに挑戦します。竹青荘は9部屋しかないけど、たまたま双子が1部屋に住んでいるので、10名がこのアポートに住んでいます。

     マラソンといっても、目指すのは箱根駅伝。走る素質のある10名が、厳しい練習を積んで、そこに挑んでいきます。竹青荘のメンバーは練習初日の夕方の5キロランで9名が19分以内で走っています。まともに練習していない状態でこのタイムだから、なかなかすごい猛者が集まっています。

     箱根駅伝に出場するようなトップレベルの大学は、5キロを14分台前半で走るということなので、ほんと、おばけレベルです。


    /_/ 主な登場人物 _/_/_/_/_/_/ 
    【寛政大学 竹青荘(ちくせいそう)】
    @清瀬灰ニ キャプテン、ハイジ、島根出身、とにかくかっこいい、大学4年、101号室
    @蔵原走 くらはらかける、1年、学生トップレベルのランナー
    @城太郎 双子兄、ジョータ、元気、1年、201号室
    @城次郎 双子弟、ジョージ、元気、1年、201号室
    @平田彰宏 ニコちゃん、ヘビースモーカー、104号室、ハイジより歳上の3年、5年目+2浪、25歳
    @岩倉雪彦 ユキ、頭がいい、司法試験合格、ヒョロっとしてメガネ、4年、102号室
    @ムサ・カマラ 留学生、2年、203号室
    @坂口洋平 キング、クイズ王、4年、202号室
    @杉山高志 神童、3年、205号室
    @柏崎茜 王子、2年、204号室

    【大家・マネージャー】
    @田崎源一郎 矍鑠とした老人
    @勝田葉菜子 はなこ、八百屋の娘、1年

    【ライバル】
    @榊浩介 さかき、東体大、走過去のチームメイト、1年
    @藤岡一真 六道大キャプテン、4年、ハイジ高校のチームメイト

    【記者】
    @佐貫信吾 月刊陸上マガジン
    @布田政樹 読売新聞

    • Manideさん
      aoiさん、コメントありがとうございます(^^)

      いいですよね〜、この本は。

      風を意識すると、なんか、いいですよね。
      この小説を読むと、...
      aoiさん、コメントありがとうございます(^^)

      いいですよね〜、この本は。

      風を意識すると、なんか、いいですよね。
      この小説を読むと、「強く」という捉え方が、少し違ってきます。
      強く、、、新たな一歩を踏み出して行けるように、頑張りましょう♪
      2023/11/22
    • Sintolaさん
      Manideさん、ハーフマラソン、ナイスラン!
      ベストタイム、おめでとうございます。
      この本がManideさんのバイブルだったのですね(...
      Manideさん、ハーフマラソン、ナイスラン!
      ベストタイム、おめでとうございます。
      この本がManideさんのバイブルだったのですね(^.^)

      木枯らしが吹き始めてきたので、皇居ラン行くのが億劫でした。
      けれども、Manideさんのレビューを読んで、出走するモチベーションが湧きました!
      明日の仕事上がり、へなちょこジョギング、行ってまいります。
      2023/11/30
    • Manideさん
      Sintolaさん、こんばんは〜

      そうなんですよ〜
      こういう、漫画のような話に、燃えちゃうんですよね。

      足が遠のくの、すごいよくわかりま...
      Sintolaさん、こんばんは〜

      そうなんですよ〜
      こういう、漫画のような話に、燃えちゃうんですよね。

      足が遠のくの、すごいよくわかります。
      私も寒くなって行くのを躊躇するようになってます。

      今は溜池山王からドコモのチャリでジョグリスまで行ってるんですよね。電動自転車にのるのが楽しくて、それで少し気持ちを高めています(^^)

      頑張りましょうね。私は今週日曜日も10マイルマラソン行ってきます。これも、昨年の記録を5分以上塗り替えるのを目標にしているのでがんばります。

      皇居を走っているとき、Sintolaさんも、はしってるのかな〜と、思う時があります。同じように頑張っている人がいることを知っているだけでも励みになりますよね(^^)感謝です。
      2023/11/30
  • R4.1.22 読了。

     箱根駅伝にかけた青春スポコン小説。大学に入るまで陸上をしたこともない個性的なメンバー達や陸上経験したメンバーが箱根路を駆け抜ける。
     何故、走るのか?それぞれが自分の内面に問いかける。
     襷リレーの場面で何故だか、うるっときてしまった。頑張っている人たちからたくさんの勇気をもらいました。来年からの箱根駅伝の見方が変わりそうです。

    ・「たとえ俺が一位になったとしても、自分に負けたと感じれば、それは勝利ではない。タイムや順位など、試合ごとにめまぐるしく入れ替わるんだ。世界で一番だと、だれが決める。そんなものではなく、変わらない理想や目標が自分のなかにあるからこそ、俺たちは走りつづけるんじゃないのか。」
    ・「個人で出走するレースだとしても、駅伝だとしても、走りにおける強さの本質は変わらない。苦しくてもまえに進む力。自分との戦いに挑みつづける勇気。目に見える記録ではなく、自分の限界をさらに超えていくための粘り。」
    ・「意味とか無意味とかじゃない。自分たちがしてきたことの証しと誇りのために、いまできるかぎりの走りを見せる。」

  • 熱い!激熱!!胸熱!!!(変換ミスではない)
    あまりに入り込みすぎて涙も出ない!(通常だったら滝のような涙が出ていたと思う)
    私の友達の旦那さん(当時は彼氏)が箱根駅伝を走る選手だったのよね。
    その影響で箱根駅伝が面白いと思うようになったんだけど。
    友達の付き添いで記録会に行ったりもしたけど、当時はちんぷんかんぷんで。
    こんなに胸熱なことが繰り広げられていたのかと今更ながらに思った次第で。
    毎日10キロは走っていると当時聞いて驚いていたんだけども、箱根駅伝を走るためにこんなにもとてつもない努力をしていたんだね。
    ただのスポ根小説じゃなくて笑いあり涙ありそれぞれの心理描写も共感することばかりで。
    もう蜂蜜と遠雷(何故今ここで!?)を読んだ以来の心の底からの感動に打ち震えております。
    来年も某大学を応援しよう。そうしよう。
    きっともっと楽しく応援ができるぞ。
    あ、私が読んでいたら上の娘も面白い!読み始めました。
    さてさて、どんな感想が聞けるかな♪

  • 三浦しおんさんの有名な作品。
    10人ギリギリの素人同然のメンバーたちであの箱根駅伝を目指して走る青春もの。
    多くのブグ友さんの髙評価を受け、涙腺を崩壊させてきたといわれる本作。

    これはもう鉄板でしょーーと、舐めてかかったのが良くなかったのかもしれない。

    ダメでした。
    ダメダメでした(/。\)
    もう……自分には心というものがないのか、って心配になるレベルで何も響かなかった。

    敗因は、出だしだったかなぁ?

    菓子パンを万引きして走って逃げる主人公の蔵原走(カケル)を、寛政大学の四年生の清瀬灰二(ハイジ)が自転車で追いかけるところから物語は始まる。
    カケルは、上京したての寛政大学の一年生。
    賭け麻雀で親からもらったアパートの入居費まで使い果たし、食費にまで事欠いての犯行だった。

    う~ん。
    まあ、そういうことも若いときにはあるよねぇ……って、あるかっ! そんなこと(ノ`Д´)ノ彡┻━┻

    最初は仲間内での麻雀の話しなのかと思ったら、フリーで雀荘に行ったらしい。
    そこで一気に有り金を搾り取られ、アパートの入居費まで取られ、野宿しながら大学に通っているとのこと。

    ま、まぁ、若い男子だし、そういうあやまちもときには……って、だからねえよ!(ノ`Д´)ノ彡┻━┻

    地元ならまだともかく、地方から上京したての知り合いも友だちもいない18くらいの男が、いきなり雀荘に入って、有り金使い果たしてスッテンテンになるって……。
    いやいや、こいつかなりヤバいよ。
    中毒レベルの破滅的なギャンブラーじゃん( `д´)

    それで腹へって万引きって。
    しかも当人、なんの反省もありません。コワッ。
    そんなヤバいヤツを逃げて走るその姿が美しいフォームだからといって、自分の住んでいるボロアパートの竹青荘に招き入れるセイジもどうかしている。

    ハア? の連続でまったく共感できない。
    読み進めてもその万引きはどうなったのか記述がない。
    弁償はしたのか?
    謝罪はしたのか?
    なにも触れられていない。
    それでいて竹青荘のカケルとセイジを含めた10人は、箱根駅伝を目指して商店街からの支援を受ける。
    その商店街の店から万引きしといて、だろうか?
    葉菜ちゃんという商店街の八百屋の娘でマドンナっぽい女の子も出てくるが、その子はカケルが万引き犯だと知っているのだろうか?

    まったく物語の本筋ではない。
    しかし気になってしまったこちらの敗けだ。
    ずっと引っ掛かって感動どころではなくなってしまった。

    これは邪推だが、おそらく作者はボロアパート10人で箱根駅伝を目指す青春物語を書きたかったのだろう。
    そのためには実質的にアパートを管理しているセイジにカケルを勧誘させねばならない。
    そのためにはセイジの前でカケルを走らせねばならない。金に困っていて住むところもない状態で。
    ということでギャンブルで金を使い果たして万引きをして走る、ということになったのだろう。
    う~ん……てきとうというか、いろいろと都合良すぎないだろうか?

    カケル以外の竹青荘のメンバーたちも多少の抵抗は見せるものの、実質的にアパートを仕切っているセイジには逆らえずに陸上を始める。そして走ることが好きになっていく。
    部屋中マンガで埋め尽くされた未経験者も、経験者でありながら今はかなりのスモーカーになっていた男もあっさりと禁煙して駅伝にのめり込む。
    それで選考会まで突破して……。

    いやいや、ほかの大学のチームはなにしとんじゃーい(°Д°)
    都合良すぎない?
    でも、おそらくこの話しにノレないわたしの方が心がねじ曲がっているんだろうなぁ~。
    そんなふうに思った( o´ェ`o)

    • みんみんさん
      レビューは思う存分好きな事を書いていいんですよ
      ね⁇土瓶さん‹‹\(´ω` )/››
      レビューは思う存分好きな事を書いていいんですよ
      ね⁇土瓶さん‹‹\(´ω` )/››
      2023/08/23
    • aoi-soraさん
      そうそう
      だって、自分はどう思ったか?
      って感想だもんね(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      楽しみましょう♪

      しかし、アールグレイさんの
      「ハイジ...
      そうそう
      だって、自分はどう思ったか?
      って感想だもんね(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      楽しみましょう♪

      しかし、アールグレイさんの
      「ハイジがカケルを謝罪させる」
      っての、ナイスです(≧∇≦)
      2023/08/23
    • 土瓶さん
      アールグレイさん、こんばんは~^^

      みんみんさん、あおいさんの言う通りです。
      思う存分に心の丈をぶっぱなしてください!
      どんどんお...
      アールグレイさん、こんばんは~^^

      みんみんさん、あおいさんの言う通りです。
      思う存分に心の丈をぶっぱなしてください!
      どんどんお願いします!!

      今後ともよろしくです~(^O^)/
      2023/08/23
  • ありえない・・・

    舞台にどれだけ僕の気持ちを載せて運んでくれるか

    それが僕にとっての小説の醍醐味。

    特に読んでいて楽しかったのは、

    ・ハイジの他の9人への気の配り方
    ・竹青荘の住人たちの飲み会
    ・レースが始まってからの10人の心理描写

    この3つ。

    特にレース中の心理描写は、それまでハイジと走以外は薄ぼんやりとしていた心の中を照らし出してくれた。

    秀逸。

    三浦しをんさんの作品、『舟を編む』を超える僕にとっての作品は現れないかなと思っていたが、

    甲乙つけ難い。

    フォロワーさんに薦めてもらい、本当にラッキーでした。

    ありがとうございました。

    • Manideさん
      shukawabestさん、こんにちは。

      走るテーマ作品好きなんですね〜

      私は今日S4というアシックスの靴を買っちゃいました。
      最近走る...
      shukawabestさん、こんにちは。

      走るテーマ作品好きなんですね〜

      私は今日S4というアシックスの靴を買っちゃいました。
      最近走る頻度が高くなったので、フルマラソン走れることを目指して頑張ります。
      この物語みたいに、何かに挑んでいくのは、いくつになっても必要ですよね〜(^^)
      2023/07/08
    • shukawabestさん
      Manideさん、ありがとうございます。
      僕は走るのがかなり苦手で、だから却って走ることに憧れているのかもしれません。マンガ「スプリンター」...
      Manideさん、ありがとうございます。
      僕は走るのがかなり苦手で、だから却って走ることに憧れているのかもしれません。マンガ「スプリンター」(小山ゆう)、映画「奈緒子」(主演 三浦春馬)、ドラマ・小説「陸王」。どれも大好きな作品です。Manideさんがおっしゃるように何かにチャレンジする姿勢はとても大切ですね。僕は、ここ2、3年、何かにチャレンジができていないので、靴は買いませんが、足の筋力トレーニングはやって行こうと思っています。
      今後もよろしくお願いします。
      2023/07/09
    • Manideさん
      いいですね〜
      私も陸王好きでした。
      奈緒子、今度観てみます(^^)

      筋トレ大切てますよね、私はなかなか続かなくて、苦戦してます。
      こちらこ...
      いいですね〜
      私も陸王好きでした。
      奈緒子、今度観てみます(^^)

      筋トレ大切てますよね、私はなかなか続かなくて、苦戦してます。
      こちらこそ、よろしくお願いします。
      2023/07/09
  • 今年最後であろう作品に、このタイミングで、出合えたことは幸運だったかもしれない。

    寛政大学近くにある今にも崩れ落ちそうな安普請の木造二階建て竹青荘。住人全員(陸上初心者ばかりの素人を寄せ集めた10人のチーム)で、箱根駅伝を目指すというストーリー。

    箱根を目指すことが、陸上をやる人にとってどんなものか、全くの門外漢だったので、競技そのものを知ることができた。また、駅伝のコースが地名とともに景色として立ち上がってくるような感覚で、一区から十区まで、一人ひとりの個性も描かれる。

    本気で箱根を目指している方からすれば、設定やストーリーが出来すぎで納得がいかないという見方もあるかもしれないけれど、
    小説だからこそ、この世界を擬似体験させてもらえたような気がする。

    箱根駅伝にあまり馴染みのない人に
    これから何かと戦わなくてはならない人に
    そして、希望を見いだせなくなってしまった人にも、熱い何かを感じさせてくれるかもしれません。
    おすすめです。

  • お正月のテレビといえば箱根駅伝。
    お茶の間でみかんを食べながらのんびり見ていたものが、小説を読んだ後では全く違った見方になった。

    選手たちのプレッシャーや緊張感、箱根にくるまでの血のにじむ努力を知って、これから駅伝を見るときはもっと真剣に応援したいと思った。

    ————-

    竹青荘に住む学生が、たった10人で箱根に挑むという挑戦は、一見無茶なものに見える。
    しかし彼らの努力と根性が、ほんとうに夢を叶えてしまう熱量があるのだからすごい。

    ————-


    名前の通り走ることが生きがいな走(かける)と、この箱根駅伝出場の発案者ハイジ。
    この2名以外は、ほぼ陸上初心者だ。

    以前サッカーをやっていた双子のジョージとジョータ。高校で陸上部だったが、今はヘビースモーカーなニコチャン。剣道をやっていたユキ。留学生のムサ。実家が山にある神童。そしてクイズ番組好きなキングと、運動が苦手で漫画が大好きな王子、という個性豊かなメンバーが集う。


    過酷なトレーニングにくらいつき、時には喧嘩しながらも、箱根への出場を決めた時には感動した。
    地元の商店街のみんなも応援に駆けつけてくれ、みんな愛されてるなぁと感じて、ほっこりする。

    この10人で襷を繋ぐことに意味があった箱根駅伝。
    きっと彼らが大人になっても、語り継がれるかけがえのないものなったに違いない。


    今年のお正月の箱根駅伝は、応援に熱が入りそうだ。
    箱根のドラマがこの一冊に詰まっている。

  •  ずっと読みたいと思っていて、その思いは正しかったんだなと。

     気持ちのいい作品でした。

     また木暮荘も読みたくなりました。

  • 心は、一緒に駆け抜けた!
    大手町から芦ノ湖へ。そして、芦ノ湖からみんなの待つ大手町へ。

    すごいなぁ!どうがんばっても体育の通信簿は3で
    校内マラソン大会が怖ろしくてたまらなかったこの私に
    竹青荘のみんなと一緒なら(特に、ハイジが一緒なら♪)
    走ってもいいかなぁ。。。と思わせてしまう、この感動!

    「つきあわせてすまなかった」ではなく「ここまで一緒に来てくれて、ありがとう」と
    心をこめて訂正するハイジに「合格」とつぶやく王子も

    練習では、個性的すぎてともすればぶつかりがちなメンバーを穏やかに宥め
    花の二区を7人抜きでしなやかに駆け抜けたムサも

    これまでずっとお互いがお互いの目標だった双子の弟が
    走ることで新たに見出した世界を、一縷の淋しさを抱えながら応援したいと願うジョータも

    よりによって襷を渡された瞬間に、葉菜ちゃんの気持ちを知って
    「好きなら走れ!」という走からの伝言そのままにハイテンションで走るジョージも

    ムサと共に穏やかにチームを支える存在であったのに、本番で体調を崩し
    高熱と頭痛で意識も朦朧とする中、山登りのきつい5区を走りぬいた神童も

    再婚した母と、その夫と、半分だけ血のつながった幼い妹の予期せぬ応援に
    それまで抱いていたわだかまりを解いて雪道を跳ぶように駈けるユキも

    禁煙し、ダイエットに励み、自分の体質に絶望して一度はやめた陸上に再び挑む中
    勝つことではなく、信頼とつながりのために走ることの喜びを知ったニコチャンも

    無駄に高いプライドに邪魔されて、誰とも深く交われない自分が
    駅伝という夢を一緒に追い、仲間と濃密な時間を過ごせたことに感謝して走るキングも

    「俺にとっての最高のランナーは、きみしかいない」というハイジからの言葉を胸に
    淋しく孤独な走りから解き放たれ、自分以外のだれかを恃む尊さに心震わせながら
    藤岡が出した区間新記録を1秒でも塗り替えてハイジに襷を渡すために駈ける走も

    竹青荘の10人目を辛抱強く待ち続け、あらゆる努力を払って準備を整え
    ほとんど素人同然のメンバーひとりひとりの心に寄り添い、練習に心を配って
    完治していない古傷を抱えながら最後の10区を魂を込めて走り切ったハイジも

    みんなみんな、あきれるほどひたむきで、美しい。

    ハイジ♪ 竹青荘のみんなと一緒に、私にも頂点が見えたよ!
    そして、きっちりシード権を獲って、
    次の世代にまで襷をつないだ10人に、乾杯♪

    • まろんさん
      kwosaさん☆

      新年から素敵なコメントをありがとうございます!
      体育がずうっと3で、運動会の前にはいつも自家中毒で寝込んでいたひ弱な私で...
      kwosaさん☆

      新年から素敵なコメントをありがとうございます!
      体育がずうっと3で、運動会の前にはいつも自家中毒で寝込んでいたひ弱な私ですが
      kwosaさんをはじめ、ブクログ仲間さんたちの温かいコメントのおかげで
      すっかり元気になりました♪

      新年一冊目に、『風が強く吹いている』。。。なんて素敵な選択でしょう!
      一年の締めくくりにこの本を読んでよかった、
      新年にはやはりこの本、と、心を込めて本を選ぶところに
      kwosaさんらしい、本への敬意が表れていて、すばらしいなぁ、と思います。

      そして、「座右の積ん読」! 素敵です♪
      座右の銘より、もっと積極的に、生きるちからにつながりそうです(*'-')フフ♪
      kwosaさんの「座右の積ん読」と私の本棚のどの本が被っていたのか
      想像すると楽しくて、私もわくわくしています!
      2013/01/06
    • shuwachoさん
      こちらこそはじめまして。コメントってこんな風に使えるんだ!@@!とビックリしています。
      まろんさんのこのレビューは「風が強く」のみんなが走...
      こちらこそはじめまして。コメントってこんな風に使えるんだ!@@!とビックリしています。
      まろんさんのこのレビューは「風が強く」のみんなが走馬灯のように蘇って、何度読んでもジンワリとゴールの感動が蘇ります。みんな大好き~!ありがとう~!
      まろんさんが選ぶ本とレビュー、楽しみにしています。これからもどうぞよろしくお願いします!
      2013/02/27
    • まろんさん
      shuwachoさん☆

      コメントありがとうございます。うれしいです♪
      家族も本を読まないし、近所の友人にもあまり本を読む人がいなくて
      本に...
      shuwachoさん☆

      コメントありがとうございます。うれしいです♪
      家族も本を読まないし、近所の友人にもあまり本を読む人がいなくて
      本について語り合える環境にないので、ブクログのコメント欄で
      ブクログ仲間さんと語り合えることがうれしくてたまらない私です(*'-')フフ♪

      竹青荘のみんな、私も大好きです!
      どんなに汗臭くても、どろんこでも、かいがいしくお世話してあげるからおいで~♪
      と、言いたくなっちゃいますよね(笑)

      お時間があれば、またコメントで本についておしゃべりさせてください!
      これからもよろしくお願いします♪
      2013/02/27
  • 今にも崩れ落ちそうなアパート、"竹青荘"に住む10人で箱根駅伝を目指す物語。
    駅伝どころか、運動経験すらほぼないような初心者も含め、10人ジャストのメンバーで1年で箱根駅伝に出場し、シード権まで獲得する。

    各人が色々な思いを抱え、こんなに苦しいのになぜ走るのか自問しながらも、練習や日々の交流を通して、それぞれに成長し、過去の傷みを克服したり、互いを思いやり団結したりしていく。
    箱根駅伝当日の10人の走りや心情を描いた後半は、読みながら涙ボロボロ。
    今後、箱根駅伝の見方が変わりそうだな。(笑)

    それにしても、皆を巻き込んだ(?)張本人、清瀬は監督兼マネージャー兼、メンバー内ではナンバーツーの選手。メンバーそれぞれの性格や身体能力を把握し、各人の練習メニューを決めたり、駅伝当日のみんなへの気配りなど、スゴイ!の一言。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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