宇宙のみなしご (角川文庫 も 16-8)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年6月25日発売)
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感想 : 293
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帯タイトルは、
「あなたにも
 手をつなぐひとが、
 きっといる。」

装丁とタイトルがすごく素敵です。

ぽーんと放りだされて
心許ないような
そんな不安定な感情。

誰にも秘密のとっておきの遊び。
陽子とリン。

「たった今、
 入れかえたばかりのように
 しゃきんと澄んだ空気。」

「深夜というのはやはり、
 ただの夜とはひと味ちがった。」

そう、これ!
ちびまる子ちゃんにも昔、夜の女王になる回があったけど。

大人になった今でも、
やっぱり深夜はちょっと違ってて、
それが子供のときは
なおさら。

陽子とリンは真夜中に屋根を上る。
誰にも内緒で。

それは夜を独り占めした気分。
ワクワクが降ってくるような夜空。

そこに控えめで目立たない存在だった七瀬さん、
いじめられっこのキオスク、
二人が加わることで物語は進んでいきます。

陽子の世界に
今まで存在してなかったものが現れて、
戸惑ったり怒ったり。

優しい絵本を読んでるような感じです。
大人になったからなのか
無駄に年を重ねてきてるからなのか
こーゆーのを読むと
ホッとします。

宇宙のみなしご。

みんなひとり、
あのこも
このこも
そして私も、
ひとり。


だから手をつなげたら。

やっぱり深夜の星空は特別。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 森 絵都
感想投稿日 : 2012年11月13日
読了日 : 2012年11月12日
本棚登録日 : 2012年11月13日

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