以前読んだ「日本文学史序説」は大著であって、その内容は殆ど記憶に無いのだけれど、実朝の金槐集を褒めていたことと、虎関師錬の「元亨釈書」までをも「文学」として取り上げていたことだけは、妙に印象に残っている。
今年出たこの「補講」には、著者が何を目指して「序説」を書いたのか、が説明されていて、「元亨釈書」はもちろん「正法眼蔵」も「論語徴」も「折たく柴の記」もみな文学だ、という著者のスタンスが良く分かる。
本書でもう一つ分かることは、著者が丸山眞男の諸研究を良く吟味して自分の思想に取り入れている(ように思える)ことだ。
なお、本書巻末に付いている大江健三郎らの鼎談は、中味が濃くてオマケのレベルを超えている。
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- 感想投稿日 : 2012年11月17日
- 読了日 : 2012年11月17日
- 本棚登録日 : 2012年11月17日
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