史上最強の哲学入門

著者 :
  • 河出書房新社 (2015年11月6日発売)
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本棚登録 : 976
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とてもわかりやすく、自分が好きな漫画家さんがカバーイラストを書いているのでテンションがあがった。
いままでこんなバトル形式の哲学書はなかったと思う。そしてポイントなのが、時系列ではなく、関連する人たちで話が展開していること。普通、過去の人から一通り紹介していくと思うが、この本はバトル部門ごとになっているのがより話が入りやすかった。

以下、哲学者ごとに特徴だったフレーズを列挙しておく。

真理バトル
プロタゴラス→相対主義、人それぞれ
ソクラテス→無知の知、わからないから教えてください、みんなで探求していこう
デカルト→方法的懐疑、疑っている自分は真であるから自分が認識するものも正しい
ヒューム→懐疑論、認識は思い込み、経験がすべて
カント→批判哲学、人間にとっての真理しかわかりえない、ヒトとイソギンチャクの世界の違い
ヘーゲル→弁証法、闘争することで第三の答えが出る
キルケゴール→実存主義、そのために死ねるような真理を見つけることが人生
サルトル→アンガージュマン、自由の刑
レヴィ・ストロース→構造主義、文化に優劣はない
デューイ→プラグマティズム、実用的な効果だけ考える、道具主義
デリダ→脱構築、たどりつかない真理を考えてもムダ、各々自分の真理を求めよう
レヴィナス→他者論

国家バトル
プラトン→イデア論、優秀な哲学者が支配者
アリストテレス→論理学、君主、貴族、民主のメリデメ
ホッブズ→社会契約説、恐怖を利用した安全保障、国家は人間を守るため契約したもの
ルソー→人民主権、体たらく、作家ドリーム
アダム・スミス→見えざる手、お金儲けしよう
マルクス→共産主義、やる気なくす問題

神様バトル
エピクロス→快楽主義、楽しいことをやろう、気楽に過ごそう
イエス・キリスト→復活、隣人を愛せよ、神の試練で正当化
アウグスティヌス→懺悔、悔いることで救われる、女好き正直
トマス・アクィナス→スコラ哲学、哲学と宗教の棲み分け
ニーチェ→超人思想、神は死んだ、弱者のねたみ

存在バトル
ヘラクレイトス→万物流転説、変化する
パルメニデス→万物不変説、あるものはある。
デモクリトス→原子論、すべては原子
ニュートン→ニュートン力学、万有引力で月証明
バークリー→主観的観念論、存在とは知覚人が知覚してはじめて世界は認識される
フッサール→現象学的還元、自分の外の世界を考えてもムダ
ハイデガー→存在論、意味深なことを残して死ぬ
ソシュール→記号論、大学生が論文編集、差異のシステム、差異に価値があるか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月16日
読了日 : 2022年1月16日
本棚登録日 : 2022年1月16日

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