軽めのタイトルだが、河合先生による本格的なハムレット論。メランコリックな哲学青年という世に知られたハムレット像は、ロマン主義の時代に流行ったものである。シェークスピアの生きた時代や思想に引き戻すとヘラクレスのような英雄たろうとする力強いハムレットが見えてくる、という。なぜハムレットは悩むのか、さっさと復讐しないのか、それは優柔不断だからではない、と。眼からウロコな指摘もあるし、エリオットら有名な作家からずいぶん「ハムレットってうじうじしたダメ男」とdisられていると知ったのも面白かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2017年12月18日
- 読了日 : 2017年12月18日
- 本棚登録日 : 2017年6月6日
みんなの感想をみる