スコーレNo.4

著者 :
  • 光文社 (2007年1月20日発売)
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本棚登録 : 685
感想 : 170
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骨董屋の3人娘の長女津川麻子
ひとつ年下の妹七葉は、優しくてとても可愛くて機転がよく利く
とっても、仲良しな七葉だが、麻子は妹に比べ自分は
容姿も性格も平凡だと思ってる。
欲しい物を欲しいと言える熱い七葉に負けている…。
そんな彼女も、中学・高校・大学・社会人と4つのスコーレと出会い、
少女から女性へと変わっていく…。


骨董屋で生まれ、可愛くって積極的な妹・七葉へのコンプレックスを抱え、
比較し自分は平凡で面白みもなく、何かを強烈に欲する力もないと思ってる麻子。
古風な考えの祖母・優しい母・骨董屋店主の父
可愛い年子の妹の七葉・年の離れた妹・お豆さんの紗英の中で
長女としての自分の立ち振る舞い…。
諦めととも取れる麻子自身の在り方。
思春期の淡い憧れと、どうする事も出来ないもどかしさや絶望など、
誰もが、経験する様な日常の出来事…。
女性なら一度は感じた事がありそうな思いや感情を
とっても、繊細で優しくそして胸を抉るような心情描写
感情が手に取るように伝わって来た。

悩み苦しみながら少女から大人の女性へと成長していく麻子。
商社に就職しながらも高級靴店に出向を命じられ、
靴に全く興味が無い…同僚に敵はいないが見方もいない…。
戸惑いながらも、真っ直ぐに真摯に靴に向き合う。
麻子の過去や現在の努力が、
色々な経験や苦しみから学んだ事、時を経てるにしたがって
麻子の成長に繋がってゆく。
幸せにも繋がっていた。

麻子の心の揺らぎや葛藤、一人の女性が悩み苦しみながら
成長する姿を切なく美しく描いていた。
本当に、素敵なお話でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: お仕事小説
感想投稿日 : 2016年2月27日
読了日 : 2015年1月31日
本棚登録日 : 2016年2月27日

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