世界の多様性 家族構造と近代性

  • 藤原書店 (2008年9月20日発売)
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感想 : 22

p49

家族とは定義上、人と価値を再生産するメカニズムである。それぞれの世代は親たちと子供たち、兄と弟、兄(弟)と姉(妹)、姉と妹、夫と妻といった基本的な人間関係を定義する親たちの諸価値を、無意識のうちに深く内在化するのである。

p290

生物学的、社会的な再生産の単位である家族は、その構造を存続させるために歴史や生命からの意味づけを必要とはしないのである。家族は世代を通して、同様な形態として再生産されるのである。子供たちが家族の面々を無意識のうちに模倣するだけで、人類学上のシステムが継続するには十分なのである。愛情と分裂の場である家族の繋がりを再生産することは、DNA-RNAの遺伝子サイクルのように、意識的な操作も必要としない作業なのである。

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感想投稿日 : 2020年5月23日
読了日 : 2015年3月24日
本棚登録日 : 2015年3月24日

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