ひとり旅は楽し (中公新書 1742)

著者 :
  • 中央公論新社 (2004年4月25日発売)
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本棚登録 : 204
感想 : 28
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「ひとり旅には手本がある。たとえば、若山牧水、山下清、寅さん・・(略)・・いずれも旅の名人である。それが証拠に、きちんと自分のスタイルを持っている・・(略)・・それぞれスタイルが決まっているのは、自分にぴったりのものを体験で学びとったせいである。厳しい条件の中で、一つまた一つとムダを省いた。

ひとり旅が自由気ままと思うのは錯覚である。それはひときわきびしい生活条件を自分ひとりで引き受けること。一つたりともムダを道づれにはできないのだ。

・・・よそへ出かけたからといって、べつに新しいことがあるわけではない。変化はしていてもあたらしくないのだ。旅先だからこそ新鮮でえがたい冒険になる。新しさと冒険を自分でつくり出している。旅はするものではなく、つくるもの。旅の仕方でその人がわかる」

そういう著者のひとり旅の世界を導いてくれる本である。
読んでいてワクワクしたり、楽しい本ではないが、妙にこころが落ち着く本である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月26日
読了日 : 2019年3月26日
本棚登録日 : 2019年3月26日

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