「ひとり旅には手本がある。たとえば、若山牧水、山下清、寅さん・・(略)・・いずれも旅の名人である。それが証拠に、きちんと自分のスタイルを持っている・・(略)・・それぞれスタイルが決まっているのは、自分にぴったりのものを体験で学びとったせいである。厳しい条件の中で、一つまた一つとムダを省いた。
ひとり旅が自由気ままと思うのは錯覚である。それはひときわきびしい生活条件を自分ひとりで引き受けること。一つたりともムダを道づれにはできないのだ。
・・・よそへ出かけたからといって、べつに新しいことがあるわけではない。変化はしていてもあたらしくないのだ。旅先だからこそ新鮮でえがたい冒険になる。新しさと冒険を自分でつくり出している。旅はするものではなく、つくるもの。旅の仕方でその人がわかる」
そういう著者のひとり旅の世界を導いてくれる本である。
読んでいてワクワクしたり、楽しい本ではないが、妙にこころが落ち着く本である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年3月26日
- 読了日 : 2019年3月26日
- 本棚登録日 : 2019年3月26日
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