絵本マボロシの鳥

  • 講談社 (2011年5月17日発売)
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本棚登録 : 251
感想 : 42
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見るものの心を奪うほど美しいマボロシの鳥を見世物にして評判を集めている魔人チカブー。
ところが、劇場側のミスでマボロシの鳥が窓から逃げていってしまう。
チカブーは意気消沈し、以後数十年、舞台から姿を消していた。
一方、別の世界では、タンガタという若者がマボロシの鳥を捕まえ、そのカリスマ性から王になっていた。
タンガタは自分は持ちすぎているので、このマボロシの鳥を手放しても、この地位は続くだろうかと考えた末、マボロシの鳥を手放す。
そのころ、チカブーの世界ではかつてのチカブーのショーを見ていた路上で絵描きをやっている人がマボロシの鳥を絵に描いていた。
たまたまチカブーはその路地を通りマボロシの鳥と再会するのだった。

マボロシの鳥と言いつつ、不死鳥のような存在。
テーマは世界は繋がっている、らしい。
原作の小説を絵本用に短くしたものだとか。

影絵がきれい。
作者はもう80歳を超えている…。
すごいパワーだ。


魔人は悪い人かと思いきやそうではなく、ただの人だった。
「もう一度舞台に立つべきだ」と言われたかった言葉を言ってもらえたチカブー。
絵で再会することも素晴らしいことなのかもしれないけれど、このあとチカブーはどうなるのだろう。
マボロシの鳥なしで芸を出来るようになるのか…。

語りの口調を面白いと取るか、鼻につくととるかで楽しめるかどうかが決まりそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013/08
感想投稿日 : 2013年8月21日
読了日 : 2013年8月21日
本棚登録日 : 2013年8月21日

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