今ではもう見掛けないけれど、古い農家には冬の夜、みんなを見回る小人がいる。
夜になると小人は家のどこかにある棲み処から起き出して、牛小屋に行き、耳には聞こえない声で牛に話し掛ける。
温かい春はもうすぐだ、と。
馬、羊、ニワトリ、犬のところも見回って同じように話し掛ける。
人間の大人や子供も見回る。
子供にも聞こえないけれど、聞こえてもいいのに。
朝になると雪の中に小さな足跡が家や家畜小屋の周りに残っている。
そうして、春が来るまで小人は毎晩みんなを見守っているのだった。
小人が見守ってくれるから安心して夜、眠ることが出来るのだろうか。
スウェーデンのトムテという妖精の話らしい。
スウェーデンのサンタクロースともいわれる農家を守る妖精だとか。
トムテについての古い詩をもとにリングドレーンが書いたもの。
読書状況:読み終わった
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2014/11
- 感想投稿日 : 2014年11月11日
- 読了日 : 2014年11月11日
- 本棚登録日 : 2014年11月11日
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