戦場でマジックを披露した男たちの話。
と言ってもこの場合、慰労公演という意味ではなく偽装工作という意味でだ。
まずキャラクター設定(と言いたくなるがこれはノンフィクションだ)からして良い。
一悶着ありつつ何とかカモフラージュ部隊を作ることができたマジシャンのジャスパーの部隊に入ろうとするメンバはやはり変わり者が多く、まるで戦隊物のキャラ付けの様にデコボコだ。
動物擬態を専門とする大学教授フランク、チンピラとでもいうのが適当な若者マイケル、木材加工の専門家である大工ネイルズ、平和主義者の漫画家ビル、扱いの難しい部隊の中でも最も気難しい画家フィリップ、ここまで変なのばかりの中だと逆に目立ってしまう普通の軍人ジャック。
そんな彼らが殆ど何も与えてもらえない中、ゴミ捨て場やその辺に落ちているものを組み合わせて何とか偽装戦車を作ったり偽の街を作ったり(?!)して実績を作っていき、タイトルにもあるようにスエズ運河を消すわ潜水艦を作るわ上陸作戦を行うわと縦横無尽の活躍をしていく。
勿論そう何もかもが上手くいくばかりではないが、誰しもが不可能だと思うことを自分のできる全力でやっていく姿は、痛快とも関心とも違って、どうしてそこまで…と思ってしまう。これが軍人なのだろうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会科学
- 感想投稿日 : 2020年1月22日
- 読了日 : 2020年1月14日
- 本棚登録日 : 2019年10月19日
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