アニメ化された作品を先に見て「原作はどういう感じだろう?」と気になっていたのと、欧米人の日本食レポの資料として手に取った。
タイトルのとおり、英国人のファミリーが来日して日本で食事をし、お父さんである著者がそれをつづった本。日本に滞在する外国人で、お金に不自由しない人が食べられるものをひと通り召し上がっている。天ぷらや豆腐よりもラーメンやお好み焼き、串カツを取り上げた章ほうが何となく「うひゃあ、美味い!」と筆が弾んでいる印象を受けるので、基本的に、味が濃いもののほうが(日本ネイティヴを含めて)全世界的にわかりやすいんだろうなと感じる。
こういう食レポでは日本の食材をほめちぎることが求められている面もあるだろうと思われるのでそこは割引き、文面の端々に顔を出す「イギリス人っぽさ」を拾っい読みしていくと面白かった。料理の印象だけではなく、材料や製法、そのお料理・食材をめぐる問題も記しているところが、帯にあるように英国高級紙で評価を高く得たところでもあるのだと思う。世界的な論議の的となって久しいクジラだとか、男性とのフォーマルな食事のあとに女性のいるお店に行くことであるとか、そういったギャップをどう感じているかというところに興味が行った。私にはそうそうない機会だけれども、英語圏の人を食事にアテンドするときのテキストにもなりそう。個人的には、色のついたそうめんが流れてくると流しそうめんは終了するというルールを知れてよかった。
それにしても、アニメ版は手際よくこのエピソードをまとめているなと感心した次第でございます。
- 感想投稿日 : 2015年11月10日
- 読了日 : 2015年11月10日
- 本棚登録日 : 2015年11月6日
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