猫の客

著者 :
  • 河出書房新社 (2001年9月1日発売)
3.91
  • (20)
  • (15)
  • (16)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 109
感想 : 23
3

つくづく、猫は危ない生き物だと思った。
ある日いきなり生活の中に現れあっという間に居場所を広げ
そしてある日いきなり姿を消す。
その生き方を巡って思わぬ人と意見の相違でギクシャクし、
光の量によって変わる瞳に心を根こそぎもって行かれる。
外に出て行けば何事も無く帰るように祈るのみ。
外に出たがる猫に無理強いをすることができない。

私の猫は完全室内飼いで、交通事故に遭う確率は
ほぼゼロと思われるが、
閉ざされた部屋の中で関係性はより濃密になっている分、
必ずいつか訪れる別れに今から胸を締めつけられる。

作者の選ぶ言葉はとてもきれいだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(日本)
感想投稿日 : 2013年10月12日
読了日 : 2013年10月12日
本棚登録日 : 2013年10月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする