日本人が知らされてこなかった「江戸」 世界が認める「徳川日本」の社会と精神 (SB新書)
- SBクリエイティブ (2018年3月6日発売)
本棚登録 : 99人
感想 : 7件
江戸の庶民の生活が、経済、環境ともに持続的なひとつの理想的な社会を形作っていたという話かと思い読み始めたが、どちらかというと、庶民生活というより幕府や政策の話だった。
著者は、明治は武力テロで国家転覆させられたとみている。
明治以後の歴史を否定する文が多かった。
当時、鎖国という言葉をつかってこなかった、参勤交代は大名の財産を減らすために行った幕府の戦略はデマ、など幕府を倒した倒幕側が幕府を陥れるために、自分の行いの正しさを主張するために行ったと主張するが、鎖国という言葉の使い方や参勤交代の幕府側の当初の目的など、どうでもよいことで、それをもって幕府が駄目だったとはならないし、被害妄想な気がしてならない……。
江戸の人口は停滞していた、というのも、確かに人口は伸びているが、明治以後の爆発的な人口増からみれば小さいというのは変わらない事実だと思う。
ひとつのものの見方としては興味深い文章も散見されるが、根拠がよくわからない幕府賞賛と明治維新卑劣論がベースにあってやや読みにくい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年8月30日
- 読了日 : 2022年8月30日
- 本棚登録日 : 2022年8月30日
みんなの感想をみる