生と死と愛と孤独の社会学 (定本 見田宗介著作集 第6巻)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年11月9日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 3

ある貧困家庭で育ったひとりの少年(彼は後に殺人犯となる)を軸に1960、70年代の日本の社会情勢の在り方が描かれている。その時代の社会背景を知らずに読んだので、入り込んでいくことが難しく苦労した。貧困は人を社会的地位の渦の中で苦しませる。彼は田舎暮らしからの反動で上京を夢見ており、中学卒業と同時に上京する。周囲からは勤勉な若者と評判があったが、どこで暮らしていても本来の自分の家柄が纏わりついており、コンプレックスを抱えるとともに、他者の目を気にしながら生きている。彼は殺人事件を起こしてしまうが、殺人事件に至ってしまうまでの、彼を対象とした、日本の社会的背景が描かれている。人と深く関わらない、キャラを演じる、孤独を感じながら生きていくなど、私のテーマにも少し近い部分があり、参考になった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年9月27日
読了日 : 2016年9月18日
本棚登録日 : 2016年9月23日

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