作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…。
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声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
怖かった。
主人公?阿坂が手紙になぜおびえるのか、そのあたりの謎も徐々に分かってくるのだけれど、途中何度か「えっ」となりながら。
最後に明かされる謎に「えぇっ」と驚く。
男子高校生の自殺の謎。
阿坂の抱える謎。
その他のひとたちの謎。
様々な謎が交錯する。
『冬狐堂シリーズ』にも登場する根岸&四阿(あずまや)コンビに会えるのは嬉しかった。
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北森さんが亡くなってから、私は作品を読み始めました。
現在になって、少しずつ読んでいる読者としては新作が今後出版されないことはとても寂しいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2019年1月28日
- 読了日 : 2011年5月25日
- 本棚登録日 : 2012年6月25日
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