水銀奇譚 (ミステリーYA!)

著者 :
  • 理論社 (2007年8月1日発売)
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本棚登録 : 226
感想 : 37
2

ヤングアダルト小説、という分類に属していた本作品。
牧野修さん、初めて読んだ。
ライトノベル系作家さん、というイメージがあった。
ホラーやSF系の作品が多いようだ。
そして、この作品、『水銀奇譚』…怖かった。
あらすじをざっとだけ見て選んだため、途中で落ち着いてもう1回あらすじを読むと、最後の2行に“青春ホラー・ミステリー”と銘打たれていて…読むの止めようかなと思った。

オカルト、という単語がぱっと浮かんだ。

秘密のクラブ活動、“真の科学クラブ”というものを小学校時代に結成。
これだけ聞くと、おまじないや実験を見様見真似でやっている…ほほえましい感じすらするけれど、“真の”とつくだけあって、別物。
中心人物、桐生薫、不思議な力を持つ彼の存在が強烈。
怖い。

主人公の香織自身、冷めていて、他の人間なんて、必要ないと思っている女の子。
気づくと、敵と戦うために、救うために、一生懸命に動いている彼女。
もともと、香織はひとりでいることを心から求めていたわけではないのかも。
茜先生のところに通っていたのも、きっと。

牧野さんが“好き勝手”に、“リアルとはほど遠い存在”を生み出したこの作品。
途中までけっこうハラハラ読んでいた。
キャラクタが皆、それぞれうまく描かれていて、設定が非現実的なのもスルーしていたのですが、戦いの終焉。
ちょーっと…むむむ。
少し、笑ってしまいました。
えぇ~???っと。
あぁ…そんな、重要な意味のあるエピソードだったんだ…と。
あぁ…そ、そんなまとめ方で…。
でも、香織が本当の意味でひとつの成長を遂げることができた、と感じられるラストは良かった。

他の作品も気になる。
でも、ホラーは避けよう…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2017年2月28日
読了日 : 2009年2月17日
本棚登録日 : 2017年2月28日

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