ヘーゲルの原著は難しいのだろうなあ、という印象から、とりあえず本書を手に取ってみた。竹田青嗣だし、わかりやすいだろうと期待していたが、なんとか理解できたと思う。人間の成長と人間精神の発展を重ね合わせるという構想だけきくと何とも眉唾であるけれども、本書を読んだ限りでは大いに納得のいく議論になっている。個人と精神の発展において通過する段階の分析は、どれも痛いところをついている。誰もが通過する触れられたくない過去の考えや行動を、これでもかと詳細に解明されてしまうと、赤面せずにはいられない。
しかしそれよりも、ぼくの短い読書歴の中でも、後の哲学者や思想家が明らかにヘーゲルから影響を受けていたのだということが発見できる箇所がいくつもあって、やっぱりヘーゲルは読まないといけないと痛感させられた。本書を羅針盤代わりに原著に挑戦してみるかな・・・
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年4月26日
- 読了日 : 2012年4月26日
- 本棚登録日 : 2012年1月22日
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