挑戦的・実験的な作品はその精神を賛美こそすれ、エンタメ的な面白さとの両立は難しいものだと思っていたが、井上真偽はそれをいともたやすく成功させてしまう。
著者の作品の魅力を5つ挙げるなら、
1.文章の巧さ、2.ケレン味(大風呂敷)、3.衒学趣味、4.ユーモア、5.いきすぎたキャラクター造形
だろうか。
既存の探偵小説では名探偵らが登場したあとも連続殺人事件は発生しがちだが、本作の探偵はタイトルどおり「早すぎる」わけで、事件を未然に防止するばかりか、その相手に「倍返し」ならぬ「トリック返し」てしまうのだから(笑)。
倒叙の連作短編。
下巻も楽しみ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年9月20日
- 読了日 : 2021年9月20日
- 本棚登録日 : 2021年9月12日
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