目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2015年4月16日発売)
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目の見えない人に、何を聞いてみたいだろうか。
そこは暗闇の世界なのか。
聾唖の人をどのように区別し、愛するのか。
寡黙な優しさを感じられるのか。
盲目の世界において、美しさとは。
価値観はどのように変わるのか。

残念ながら、本著はそういう観点では、インタビューをしない。また、登場する「目の見えない人たち」は、生まれつきではないから、イメージの記憶を持つ。映像記憶の無い人に関心があったので、先の質問リストも合わせて、少し残念だった。

ジュヌセクワ。
フランス語で「いわく言いがたいもの」、言語化の対義語。暗黙知みたいな事だが、それだと、視覚障害者には伝わらない。視界から消える事で不自由に感じるもの(大多数)、逆に消える事で却って集中力を増す、または、囚われなくなるもの。

脳内で映像化し、その映像化のために言語があるとしたら、映像を持たぬ視覚障害者にとって言語とはどのような役割なのだろう。色々、消化不良な感じが拭えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月10日
読了日 : 2024年1月10日
本棚登録日 : 2024年1月10日

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