生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

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  • ダイヤモンド社 (2016年11月26日発売)
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例えが秀逸で分かりやすく、腹落ちし易い具体的な内容。読んだ方が良い一冊。量より質。リクルートで言えば、応募者数を誇るのではなく、高度な人材を確実に採用する事が大事で、そのために費やす膨大な面接を減らすために何をするか。

急いで雇った新人の生産性は既存社員ほど高くないばかりか、社内に溢れる生産性の低い作業を彼らに押し付けてしまうことで、それが生産性の低い仕事がいつまでも温存されてしまう。ならば拙速に採用せず、業務を棚卸ししつつ、優先順位をつけさせるチャンスとして捉える事もできるはず。

トップパフォーマーに対して部下の育成を任せると言う事は彼らの成長機会を奪うことでもある。トップパフォーマーは切磋琢磨できるライバルが多くないからだ。自分よりパフォーマンスの低い人にその視点を誘導すると彼らの目線をさらに下げてしまう。従い、自分と同じ世代で圧倒的に高いレベルの人を目にさせ、目指すべき地点を大幅に引き上げる事が重要。

他方、圧倒的多数の中間層をどうするか。大多数のプレイヤーのモチベーションを下げないことが大事。人事評価は、昇格と言う誰もがわかる査定により露骨にならざるを得ない。逆転なのか、別の道なのか、二番手を目指すのか、その説明から逃げず、フィードバックをすることが重要。

やや人事戦略が多いような気もするが、共感性の高い読書だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月6日
読了日 : 2023年6月6日
本棚登録日 : 2023年6月5日

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