横道世之介 (文春文庫 よ 19-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年11月9日発売)
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だらしない、回りに流される世之介。でもどこか憎めない。例えば変に真面目なところ。難民に預けられた赤ちゃんを自分で助けられなかったことで、自分は世の中の役に立たないって思い詰めたり普通はしない。
かなりセレブだけど少し変わった祥子に好かれたり、大笑いするようなことはないけど、くすっとするような事ばかりの世之介が愛しい。いや、世之介が愛しいんじゃなくて、同じような時代を過ごした自分を投影させて懐かしく、楽しいんだろう。

世之介が撮った初めての写真は私が見たいという祥子の為に「与謝野祥子以外、開封厳禁」と封をして写真を入れた。悲しい伏線回収だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月4日
読了日 : 2023年7月10日
本棚登録日 : 2023年7月8日

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