ドアのむこうの国へのパスポート

  • 岩波書店 (2023年4月27日発売)
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本棚登録 : 250
感想 : 18
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この結末で喜ぶ子供いるのかなぁ。

小学生の頃、自由研究ネタを集めた本が家にあり、その中に「夢の世界旅行」というタイトルのネタがあった。
毎週欠かさず見る『世界まる見えテレビ特捜部』で遠い異国に憧れ、
我が身の秘められたパワーを信じて魔女っ子修行に勤しんでいた私は、
「この研究をすれば夢の中で世界旅行に行けるんや…!!」と胸が高鳴った。
今思えば私がアホなんだが、
ワクテカる胸を抑えて中身を読んだら、
「百科事典で行ってみたい国のことを調べてまとめよう!」…という内容で、
私の夢の世界旅行は脆くも頓挫し、つまらない風が吹いた…
そんな気持ちを思い出した一冊。

装丁は大変美しく素晴らしい。
先生の態度も素晴らしい。
この本を書くに至った経緯もわかった。
が、そんな経緯を披露するのは正直自己満足に過ぎず、読者にとって面白い読書になるかどうかとは関係ない。
トンケ作品の元ネタがふんだんに盛り込まれているそうで、この作家のファンには嬉しい本かもしれないが
なんの前提もなく課題図書で読んだところであまり残るものはない。

凹凸のある子たちの学校物語、
大事な思い出のパスポート、
それぞれ別個に作品化したほうが良かったのでは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月21日
読了日 : 2024年4月21日
本棚登録日 : 2024年4月21日

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