昔幼い頃に江國さんの小説をよく読んでいた時期を思い出し、このアプリ内で見かけたこの本を前情報なしに手に取りました。
…ので、冒頭の帽子ときゅうりと数字の2が出てきてとても驚きました(笑)
『擬人化的なものかな…?』と思いきや、きゅうりの果肉の様子や帽子を被る描写があり、『あ、言葉の意味そのまま帽子やきゅうりや数字の2なのね…』と二度驚きもしました。
単調になりやすいので普通は語尾が重複するのはよく避けられますが、今回は絵本的・メルヘンチックな雰囲気に合っていて、なおかつ飽きさせないのは流石江國さんだなと思いました。
詩的な表現とどこか現実的な表現が独特にミックスされていて、江國さんの小説はどこかで江國さんの別の小説と世界が繋がってる感じがして好きです。
解説のように、江國さんは魅力的な「もの」を語り「ひと」と「ひと」とをつなぐ描き方が素敵な作家さんなので、この登場人物自体が「もの」であるのもある意味納得かもしれません。
帽子の「音楽は、個人的なものだな」というセリフが出てくる話が印象的でした。
読書状況:積読
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- 感想投稿日 : 2024年4月28日
- 本棚登録日 : 2024年4月6日
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