奸婦にあらず (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2021年9月18日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 1
4

面白かった。
かの有名な井伊直弼、安政の大獄、桜田門外の変…

時代小説特有の難解な言葉に
読みにくさを感じた序盤も、
読み進むにつれ、これはなんと情感溢れる
恋愛小説か?と思うほどの
細かな描写に引き込まれていった。

かの時代に生きた人も
現代に生きる私達も、
誰かを愛する気持ちや揺れ動く恋情、
気持ちも身体も変わることはないのだと
思わされた。

作者の筆のうまさに
いかに相手を大事に思っているのかが
伝わる。
愛する若君、息子、先生、両親、夫…
それぞれに対する形と温度の違う愛情を
たかを通じて描写する作者に圧倒された。

歴史や史実のみで思う人物像も
また違う人間らしい一面、
自分にも似た現代へ通じる思いを
深く堪能した1冊だった。

後半は先が気になり一気読み!
いつか行きたい、彦根城、天寧寺、弁天様
歴史に思いを馳せたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月20日
読了日 : 2022年5月20日
本棚登録日 : 2022年5月12日

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