密教の水源をみる: 空海・中国・インド (講談社文庫 ま 1-48)

著者 :
  • 講談社 (1994年6月1日発売)
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感想 : 1

1994年(底本1984年)刊。

 何となく判った点。
 司馬遼太郎の空海本が、空海の生き方や来し方に注目していた小説的評伝である。
 ところが松本清張は、空海個人よりも、密教がインドで生まれ、中国に流入し、さらに日本で芽を出した。その淵源と変遷、文化・宗教的意味の解読に関心があったこと。

 よく判った点。
 中国の特に隋唐時代(奈良・平安時代の同時代史)の固有用語に無知な自分。

 もっと良く判った点。中国の文化史、文化財の淵源系譜を知らず、宗教関連文化史は猶更知らない自分。
 より一層判った点。インド関連の宗教・地理の無知な自分。


 本書は、松本清張が空海が創始・拡散した真言密教の淵源をたどり、中国・インドを旅する紀行文。大阪のテレビ放送局担当者が同行しているので、いわゆるTVドキュメンタリー制作に関連したものであったかもしれないが、中印の密教関連文化財を訪れ、写真を開陳しつつ叙述される本書は、具体的なイメージを喚起できるものといえそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2016年12月19日
読了日 : 2016年12月19日
本棚登録日 : 2016年12月19日

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