1994年(底本1984年)刊。
何となく判った点。
司馬遼太郎の空海本が、空海の生き方や来し方に注目していた小説的評伝である。
ところが松本清張は、空海個人よりも、密教がインドで生まれ、中国に流入し、さらに日本で芽を出した。その淵源と変遷、文化・宗教的意味の解読に関心があったこと。
よく判った点。
中国の特に隋唐時代(奈良・平安時代の同時代史)の固有用語に無知な自分。
もっと良く判った点。中国の文化史、文化財の淵源系譜を知らず、宗教関連文化史は猶更知らない自分。
より一層判った点。インド関連の宗教・地理の無知な自分。
本書は、松本清張が空海が創始・拡散した真言密教の淵源をたどり、中国・インドを旅する紀行文。大阪のテレビ放送局担当者が同行しているので、いわゆるTVドキュメンタリー制作に関連したものであったかもしれないが、中印の密教関連文化財を訪れ、写真を開陳しつつ叙述される本書は、具体的なイメージを喚起できるものといえそう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2016年12月19日
- 読了日 : 2016年12月19日
- 本棚登録日 : 2016年12月19日
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