1995年刊行。チンパンジーの言語獲得に関する議論は「カンジ」(手話ベース)のみで、「アイ」「アユム」には全く触れられない。言語面でヒトとチンパンジーとの間に隔絶した差があることは否定しない(確かに、萌芽的なものでしかない)が、舌足らずの感。また、言語指南役への批判も、それが本論との関係でいかなる意味を持つのかいまいち不明。そもそも言語獲得生来説でも、後天的な言語環境を無視するわけではなく、批判の目的が判然としないゆえ。心の点も、言語と異なり、脳地図では全く表せず、論の検証が難しいとも思えたところ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月21日
- 読了日 : 2017年1月21日
- 本棚登録日 : 2017年1月21日
みんなの感想をみる