若松英輔さんの詩集2冊目。タイトル通り、愛がテーマの詩集。とても素敵な詩集でした。愛する人がいるから喜びや幸せを感じ、また悲しみも苦しさをも感じ得る。『愛しみ』と書いて『かなしみ』と読む。これは愛の本質を端的に示していると思う。愛する人との別離はそれこそ半身を捥ぎ取られるように辛く、苦しい。喪失は激痛となって胸を貫く。だけれどもそれはその人を深く愛し抜いた証拠なのだ。見方を変えれば、その激痛は『愛しみ』に染まった幸福な痛みではないだろうか。いつか喪うことがあっても、誰かを心から愛せることはとても幸せなことだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2022年2月12日
- 読了日 : 2022年2月12日
- 本棚登録日 : 2022年2月12日
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